「妊娠中」だけどお寿司を食べたいママ、どのネタならOK?

妊娠中のママは、なにかと制限を強いられます。
お寿司を食べてはいけない」という声もよく聞くので、食べてよいのか悩むケースもよくあるのです。

お寿司が大好きだったり、お祝い事で食卓に寿司が並ぶこともあるでしょう。
また酢飯の香りは、つわりの時期でも比較的食欲が出やすいようです。

しかしほかの食べ物も制限されるなか、理由も分からず我慢するのは、ストレスがたまります。

じつは注意点を守れば、妊娠中でもお寿司は食べても大丈夫

この記事では、妊婦さんがお寿司を制限される理由と、お寿司を楽しむために守りたい注意点をまとめました。

妊婦さんにお寿司が危険な5つの理由は?どのネタがとくに危険なの?


そもそもなぜ「妊婦さんにお寿司はNG」といわれているのでしょうか。

妊婦さんにとってお寿司は、大きく分けると、5つの側面で危険があります。

なんで危険なのか、どのネタを避ければよいのかも、一緒に見ていきましょう。

魚に含まれる水銀が、赤ちゃんに影響する?

魚介類に含まれる水銀を摂取した場合、胎児に影響がでるリスクが考えられます。

赤ちゃんはうまく水銀をからだの外に出すことができないため、ママが魚介類から摂取した水銀は、そのまま胎児の体内に蓄積されるのです。

食べた魚に含まれる水銀が、微量であれば、とくに問題はありません。

しかし厚生労働省が推奨する摂取基準を超えて、妊婦さんが水銀をとった場合は、たとえば赤ちゃんが音を聞いたときの反応が、1/1,000秒以下のレベルで遅れるケースがあります。

またお腹にいる赤ちゃんの神経障害や、発達障害につながる可能性も否定できません。

赤ちゃんへのリスクを避けるためにも、なるべく水銀をとらないように意識しましょう。

なんで魚には水銀が入っているの?

メチル水銀は、もともと自然界に存在しているのです。
海中のプランクトンによって、水銀は体内のさまざまな部分に入り込みやすく変化します。

小さい魚が水銀入りのプランクトンを食べ、大きな魚が小魚を食べるといった食物連鎖が、海の中では行われています。

魚介類は食物連鎖のなかで、水銀を徐々に体内に蓄積していくため、わたしたちが口にするときは、水銀を多く含んでいるのです。

水銀を多く含むお寿司は?

とくに水銀を多く含む、注意すべきネタとして、

  • マグロ
  • のどぐろ
  • キンメダイ
  • が有名です。

    水銀含有量が多いといわれている魚は、ほかにもたくさんいますが、すべて覚えられるひとはなかなかいません。

  • 大型魚
  • 深海魚
  • 寿命の長いもの
  • 上記は水銀が多いと覚えると、すっと頭にはいります。

    よくマグロは水銀値が高いといわれますが、とくにメカジキ・メバチ・クロマグロ・マカジキ・ミナミマグロは水銀を多く含む品種です。

    一般に「中トロ」「大トロ」と呼ばれるネタはクロマグロ、ミナミマグロが多いので、注意しましょう。

    ネギとろにはマグロの代わりに、赤マンボウが使われることも多いですが、赤マンボウも水銀を含みます。

    妊婦さんは、マグロを全体的に避けておいた方が安全ですね。

    妊婦さんがマグロを食べることの危険性については、こちらにまとめてあります。

    厚生労働省からのアドバイス

    妊娠中に魚を食べるときに、水銀をとりすぎない方法について、厚生労働省がパンフレットを出しています。

    妊婦さんがお魚を楽しむ方法を、分かりやすくまとめているので、確認しておくと安心です。

    食中毒は、妊婦さんにとってハイリスク

    生ものは多くの細菌を含むため、食中毒の原因となる危険な食材です。

    お寿司は生魚を使うネタが多いため、妊婦さんは避けるようにいわれているんですね。

    とくにリステリア菌は、発熱・頭痛・嘔吐などの症状をもたらし、最悪の場合流産や死産のリスクもあります。

    とくに妊娠初期は、このリスクが高いようです。

    厚生労働省も、リステリア菌が胎児に悪影響をもたらす可能性について、注意を呼び掛けています。

    妊婦さんが、食中毒に注意すべき理由

    妊娠中は免疫力が落ちるため、食中毒になるリスクが通常よりも上がります

    さらに妊娠2ヶ月目からは、薬に対する敏感期が続くため、食中毒にかかったとしても抗生剤で治療できず、何日も苦しむことになります。

    食中毒の原因菌によっては、母子感染によって赤ちゃんへの影響も考えられるのです。

    お腹の赤ちゃんに影響がなくても、流産や早産を引き起こす可能性があるので、普段にもまして、食中毒には注意が必要です。

    食中毒になりやすいお寿司はどれ?

    どの寿司ネタも、生ものであれば食中毒の危険があります。
    かならず新鮮なものを食べるよう、徹底しましょう。

    たとえ新鮮であっても、食中毒にかかるケースの多いネタを紹介します。

  • 生イカ・スモークサーモン
  • リステリア菌が多く含まれるため、避けましょう。

  • 生の2枚貝
  • ノロウイルスを発症するケースがあります。
    食べるときは必ず火を通しましょう。

    お寿司を食べると、糖質をとりすぎがちに!

    お寿司は、ネタと寿司飯というシンプルな構造です。
    シャリは炭水化物ですし、寿司酢の中にも砂糖が入っているため、糖分を多くとってしまいます

    炭水化物も糖分も、エネルギーになる「糖質」なので、まったくないのはいけません。
    しかし寿司は、糖質をとりすぎやすい食事といえるでしょう。

    摂取カロリーを管理する必要がある妊婦さんにとって、糖質のとりすぎは大きな問題です。

    問題ないお寿司の量はどれくらい?

    当たり前ですが、寿司ネタは少なからず、炭水化物を含みます。
    お寿司を楽しむときは、食べすぎに注意しましょう。

    妊娠中に推奨される1日の摂取カロリーは、下記です。

  • 妊娠初期だと2,000kcal前後
  • 妊娠後期だと2,400kcal前後
  • 1日あたりの数字なので、1食当たり700~800kcalを超えないことが重要ですね。

    寿司ネタの種類にもよりますが、お寿司1皿あたりのカロリーは100kcal前後ですので、お寿司を食べるときは、6~7皿で抑えておくと安心かもしれません。

    平均的な酢飯の量は、1カンにつき20g程度のようです。
    お茶碗1杯のご飯は150g程度なので、同じくらいに収めたければ7~8カン程度。
    2カンずつ入っているお皿なら、4皿くらいになります。

    お店の方に頼んでシャリを小さめにしてもらうなど、工夫するのもOKです。

    ビタミンAの大量摂取も赤ちゃんに影響がでる?

    一部のネタには、大量のビタミンA(レチノール)塩分が含まれます。

    レチノールは、免疫機能の維持に必要な栄養素ですが、摂りすぎてしまうと、赤ちゃんの成長や発達に悪い影響をもたらす恐れがあるのです。

    うなぎ、アナゴなどのネタは、ビタミンAが多く含まれます。

    レチノールについては、下記の記事に詳しくありますので、気になる方はご覧ください。

    塩分のとりすぎは、ママへの影響がある

    また酢飯には多くの塩分が含まれています。

    そのうえ、お醤油をかけて食べるので、塩分を多くとりがちです。

    塩分のとりすぎは、妊娠高血圧症候群につながる可能性が否定できません。

    とくにイクラなど魚卵には、塩分が多く含まれています。

    これらを大量摂取すると、栄養バランスが偏るため、食べたいときは少量にとどめましょう。

    妊娠高血圧症候群については、下記を参照くださいね。

    食べても大丈夫なお寿司の種類はどれ?

    妊婦さんはお寿司屋さんで、どれを頼めば安心して食べられるでしょうか?

    巻物や、加熱されたネタが安全

  • 巻物(かっぱ巻き、かんぴょう巻き、お新香巻き、納豆巻き)
  • 加熱済のネタ(カニ、ウニ、えんがわ)
  • ボイル済のネタ(エビ、タマゴ)
  • これらは生ものを含んでおらず、食中毒・水銀どちらの心配も無用なので、食べても何の問題もありません。

    またお祝い事にぴったりのちらし寿司も、おすすめですよ。

    炙ったネタは、表面しか加熱をしていないため、完全には安心できません。
    炙りしめさばによる食中毒の例も報告されているので、注意しましょう。

    どうしても生ものがたべたい!そんなときは?

    「生魚が危険なのは知っているけれど、どうしても我慢できない!」というママも多いようです。
    あまりに食事の制限が多すぎて、ストレスをためてしまうのは、ママのためにもよくありません。

    どうしても生魚を食べたいときには、何に気を付ければよいのでしょうか。

    ナマの魚介を口にするときは、まず鮮度をかならず確認しましょう。

    また摂取量も管理が必要です。

    厚生労働省では、1週間に生魚1人前、約80g以内の摂取をすすめています。

    食べるネタの種類は、青魚がオススメです。
    とくによいといわれているのが、サーモンとカツオ
    ほかにも青魚には、鯛やサバなど色んな種類があります。

    生魚を食べたいときには、これらのネタを積極的に選びましょう。

    青魚を食べるときは、アニサキスに注意!

    青魚を食べるときは、食中毒の原因となるアニサキスと呼ばれる寄生虫への注意が必要です。

    アニサキスは長さ2~3cm、幅は0.5~1mmの寄生虫です。
    肉眼で確認ができ、一見白い糸のように見えます。

    鮮度の確認を徹底したうえで、アニサキスがついていないか、目視でチェックしましょう。

    お寿司屋さんへ行こう!注意点は?


    自宅でお寿司を用意すると、シャリや寿司酢の量も調節しやすく、家でゆったりと食事を楽しめます。

    ただ内臓をきれいに取りのぞくなど、衛生面には格別の注意が必要です。

    お寿司の準備で肉体的にも精神的にも疲れる作業をこなすのは、妊婦さんにとってかなりの負担になりえます。

    体力的に外に出られるのであれば、お店で気楽にお寿司を楽しむのもよいでしょう。

    お店へ寿司を食べに行くとき、注意すべき3つのポイントを紹介します。

    1:信頼できるお店を選ぶ

    お店でお寿司を楽しむときは、必ず信用のできるお店を選ぶようにしましょう。

    新鮮なネタを提供している店の方が、安全性は高いです。
    回転ずしに向かうときは、新しく注文してその場で握ってもらうようにしましょう。

    2:寿司ネタの表記名に注意!

    店によっては、ネタの表記名が実際に使う魚の名前と違うことがあります。

    この場合、自分が食べているネタがはたして妊娠中の身体によいものなのか、判別がつきません。

    とくに安価なお寿司屋さんへ行くときは、生のネタは可能な限り避けた方がよさそうです。

    3:ショウガやわさびを活用すると◎

    ショウガ(ガリ)やわさびには、抗菌作用冷え防止効果があります。

    体内に細菌が入っても、微量であればこれらの食品によって、口の中で細菌をくいとめられますね。

    口もさっぱりしますので、ぜひ活用してみましょう。

    お茶に含まれるカテキンにも、抗菌作用があるのですが、カフェインも含まれているので飲みすぎには注意し、1杯程度にとどめておくといいですね。

    注意点を守って、妊娠中も可能な範囲でお寿司を楽しみましょう

    妊娠中は生魚を食べるのに制約が多く、寿司好きの妊婦さんにはツライかもしれませんが、それもずっと続くものではありません。

    しっかり我慢をした先輩ママさんたちも、出産後はお寿司を楽しんでいますよ。

    注意点を抑えたうえで、生の寿司ネタをどうしても食べたいときは、新鮮な青魚を少量試してみる、など安全な範囲で食事を楽しみましょう