乳幼児医療費助成制度ってなに?どう手続きすればいい?いつまで使える?

子どもが小さいときは、なにかと病院のお世話になることが多いものです。

そんな子育て世帯のために、子どもの医療費の助成制度があるのをご存知ですか?

申請することで助成を受けられるのですが、案外知らないママもいるようです。

ここでは、申請しないと損をする乳幼児医療費助成制度について、対象や条件、申請の流れについて紹介します。

乳幼児医療費助成制度とは


乳幼児医療費助成制度は、小さい子どもをかかえる世帯の経済的負担を軽減するために、乳幼児の医療費の一部を自治体が負担する制度です。

国や自治体が負担する医療費は、下記の通りです。

0歳児~就学未満は2割、6歳~70歳未満3割負担(2018年3月現在)
都道府県 各都道府県が、国が負担しきれなかった費用を負担
市区町村 各市区町村が、都道府県が負担しきれなかった費用を負担

赤ちゃんや小さい子どもは、すぐに熱を出したり、ちょっとしたことでケガをしがちです。

病院にお世話になることが多い乳幼児の時期、このような助成制度は、子育て中のママにとっては、とても心強いものなので上手に活用しましょう。

ただし対象年齢や所得制限、助成金額(一部負担か全額支給か)など助成の内容は、自治体によって異なります。

とくに助成の対象になる年齢は、4歳未満という自治体もあれば、22歳年度末までという自治体もあるなど、かなりの開きがあるようです。

そのため名称も「乳幼児医療費助成制度」だけでなく、「子ども医療費助成制度」、「小児医療費助成制度」など自治体によってさまざまです。

お住いの市区町村での名称や対象条件については、役所の窓口やホームページで確認する必要があります。

参照:厚生労働省「平成28年度 乳幼児等に係る医療費の援助についての調査結果 別紙3」
参照:厚生労働省「医療費の自己負担について」

乳幼児医療費助成制度のメリット

この制度のメリットは、子どもにかかる医療費が軽減する点です。

子どもが小さいうちは、出費がかさみがち。

医療費の負担が軽くなることは、子育て世帯の家計にとって大きな助けになります。

ただしこの制度を利用するには、対象条件を満たし、決められた手続きをすませておくことが必要です。

まずは助成制度が利用できる対象条件について、くわしくみていきましょう。

乳幼児医療費助成を受けるための対象条件


乳幼児医療費助成の対象は子どもですが、すべてのお子さんに適用されるというわけではありません。

対象年齢、対象条件、所得制限など自治体によって異なる条件があります。

対象者

対象となるのは、健康保険や、国民健康保険に加入している子どもです。

しかし以下のような場合は、対象外となります。

対象外となるケース

  • 健康保険や国民健康保険に加入していない子ども
  • 生活保護を受けている子ども
  • 社会的措置により施設に入所している子ども
  • ひとり親家庭等医療費助成など他の助成をすでに受けている子ども

特別な理由がない限り、子どもを健康保険に加入しておきましょう。

何歳まで対象?

乳幼児医療費助成は、何歳まで受けられるのでしょうか?

助成の対象となる年齢は、自治体によって異なります。

以前は、小学校就学前の6歳までを助成の対象とする自治体が多かったのですが、最近は、多くの自治体で対象年齢の引き上げがおこなわれています。

今では全国の市区町村の半数以上が、対象年齢を15歳年度末までとしていますが、それ以外の地区もあるので、お住まいの地域の役所で確認しましょう。

助成の内容は?

助成の対象となるのは、医療保険の対象となる医療費です。

助成対象の子どもが医療機関で通院、入院した場合、保険証を提示すれば、保険診療の範囲内での医療費や指定薬局での薬代のうち、子どもが就学前の場合は2割、就学後は3割を自己負担することになります。

乳幼児医療費助成制度では、この自己負担金の全部あるいは一部を、自治体が助成します。

ただし下記のものは助成の対象外です。

  • 予防接種
  • 健康診断
  • 薬の容器代
  • 差額ベッド代
  • 入院中の食事代
  • 保険適用外の治療費
  • 文書作成代など保険が適用されない費用

全国の自治体の約6割が自己負担額の全額を助成していますが、一部自己負担のある自治体もあります。

またお住まいの自治体によって助成の対象となるものが異なることがあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

所得制限

助成を受ける条件として、全国の自治体の約2割が保護者の所得制限を設けています。

所得制限がある場合、保護者の年収の金額によって助成の金額が変わったり、助成の対象から外される場合があるようです。

所得制限される年収の金額や制限の内容は、自治体によって違います。
乳幼児医療費助成

参照:みたか子育てねっと「乳幼児医療費助成制度」
参照:大阪市「子どもの医療費を助成します」
参照:名古屋市「子ども医療費助成制度(暮らしの情報)」

乳幼児医療費助成制度の利用方法


乳幼児医療費助成制度は、対象となる子どもを扶養する世帯であれば、誰でも利用することができます。

利用方法について、説明しましょう。

助成を受ける方法

助成を受けるには、乳幼児医療証が必要です。

お住まいの自治体にある医療機関で受診した際、健康保険証と一緒に乳幼児医療証を提出することで、助成を受けられます。

住んでいる自治体以外の地域で、医療機関を利用したケースの対処については、自治体ごとに対応が異なるようです。

一旦窓口で全額を支払い、後日お住まいの地域の役所に書類を提出することで、支払った金額が返還される自治体もあれば、外部の自治体での治療は助成対象外としている地域もあります。

なお乳幼児医療証を発行するには、手続きが必要です。

赤ちゃんが生まれたら、なるべく早く手続きをすませましょう。

乳幼児医療証申請の手続き

助成を受けるためには、乳幼児医療証が必要ですが、これは自動的にもらえるわけではありません。

お住まいの自治体での手続きが必要です。

具体的な申請手続きの流れについては、次のようになります。

  1. 自分が住んでいる市区町村の助成内容を確認
  2. 出生後、子どもの健康保険への加入
  3. 保険証受け取り
  4. 自治体での申請手続き
  5. 乳幼児医療証の交付

それぞれを、くわしくみてみましょう。

1:自分が住んでいる市区町村の助成内容を確認

乳幼児医療費助成制度は、自治体ごとに助成内容や申請に必要な書類が異なります。

役所の窓口やホームページで、自分の住んでいる市区町村の助成内容を確認してください。

出産後はなにかとあわただしくなるので、妊娠中の時間のあるときに調べておくとよいでしょう。

2.出生後、子どもの健康保険への加入

乳幼児医療証申請のために、絶対に必要なのは、子どもの健康保険証です。

赤ちゃんが生まれたら、まずは子どもをパパかママ、どちらかの扶養家族として、健康保険に加入する手続きをしましょう。

お勤めの会社で健康保険に入っている場合は、会社を通しての手続きとなります。

国民健康保険に加入している人は、お近くの役所で手続きをします。

保険加入のために必要な書類については、保険の種類でも異なりますので、会社や役所に問い合わせてください。

3.保険証受け取り

子どもの健康保険加入の手続き後、しばらくすると健康保険証が発行されます。

4.自治体で申請手続き

健康保険証が手元に届いたら、役所で乳幼児医療証の申請手続きをおこないましょう。

必要な書類

  • 乳幼児医療費助成申請書類
  • 子どもの健康保険証
  • 印鑑(朱肉が必要なもの)

上記以外にも、自治体によっては、マイナンバーカード(個人番号カード)免許証など本人が確認できる書類が必要になる場合があります。

所得制限のある自治体の場合は、所得審査が必要です。

その場合、所得証明書や課税証明書など、所得額が証明できる書類を提出することになります。

くわしくは、自身がお住まいの市役所や区役所などに、お問い合わせてください。

5.乳幼児医療証の交付

手続き終了後、条件を満たしていれば、乳幼児医療証が交付されます。

医療機関で受診する場合、提示が必要になるので、健康保険証と一緒に携帯しましょう。

更新について

乳幼児医療証は、有効期限が1年となっています。

ちなみに東京都では、毎年10月1日が更新日となっていますが、札幌市の更新日は8月1日です。

お子さんの誕生日に、更新する自治体もあります。

このように更新日についても自治体ごとに異なるので、住んでいる地域の役所にご確認ください。

名前や住所が変更になったら?

名前が変更になった場合は、名前の変更を届け出る必要があります。

同じ市区町村内での引越しの場合は、住所変更届けが必要です。
市区町村をまたいで引越しをした場合は、乳幼児医療証をいったん返却し、転入先の自治体にて、あらためて申請の手続きをし直してください。

参照:東京都福祉保健局「マル乳・マル子医療証をお持ちの方へ(10月1日は医療証の更新日です)」
参照:札幌市コールセンター「子ども医療費助成について知りたい」

乳幼児医療証が使えないケース

以下のようなケースでは、乳幼児医療証が使えないので注意してください。

住んでいる自治体以外の医療機関での受診

里帰りや、旅行先など、自分が住んでいる自治体外の医療機関では、乳幼児医療証を使うことができません。

ただし役所に払い戻しの手続きをすることで、のちほど還付されるシステムをとっている自治体もあります。

かかった医療費の領収書は保管しておきましょう。

学校や保育園などでの疾病とけが

幼稚園や保育所・小学校・中学校・高等学校(部活や行事も含む)での疾病、けがの場合は、独立行政法人日本スポーツ振興センターから災害共済給付金がでます。

そのため乳幼児医療証の対象とはなりません。

なお一部の保育所や幼稚園では、災害共済に加入してない場合があります。

その場合は、のちほど、役所に医療費の自己負担分を払い戻してもらうための、請求手続きをしましょう。

第三者によるけが(交通事故など)

交通事故、他人の犬に噛まれた、喧嘩に巻き込まれたなど、第三者によるけがの場合、医療費の支払いは第三者がおこなうべきものです。

このようなケースでは、原則として乳幼児医療証は使えません。

乳幼児医療費助成制度を利用して、賢く子育てしましょう!


赤ちゃんや小さな子どもがいる家庭では、病院にお世話になる機会が多くなります。

乳幼児医療費助成制度は、そんな子育て世帯の強い味方でしょう。

ただし助成を受けるのに必要な乳幼児医療証は、発行するのに手続きが必要です。

手続きに必要な書類、助成の対象年齢や助成内容は各自治体によって違います。

できれば妊娠中に、住んでいる地域の役所の窓口やホームページや電話で情報収集しておきましょう。

乳幼児医療費助成制度は、子育て世帯の特権なので、忘れずに申請してくださいね。