44歳、46歳で出産した女優・加藤貴子さん「頑張りすぎない妊活とは?」

女優の加藤貴子さんは今年、自身の妊活経験をまとめた本を出版しました。

タイトルは『大人の授かりBOOK~焦りをひと呼吸に変えるがんばりすぎないコツ~』です。

加藤さんは不妊治療を経て、44歳と46歳のときに男の子を出産。

それまでに夫の“男性不妊”が発覚したり、流産を3回経験したり、授かるまでにたくさんの困難があったようです。

今回「赤ちゃんの部屋」編集部は、加藤さんが妊活中に得たさまざまな気づきについて、インタビューする機会をいただきました。

インタビューを担当する私も、切迫流産と切迫早産を経験した1児の母。

加藤さんの本には共感する部分がたくさんありました。

40代ではじめた不妊治療で無知さを痛感

女優・加藤貴子
女優・加藤貴子さん

ーーじつは私も妊娠中はトラブルつづきで、切迫流産と切迫早産の経験をしています。
加藤さんの著書はそういう苦しみを経験している人にとって、寄り添ってもらっているような感覚になる内容でした。

そんな感想をいただけると本当にうれしい。書いてよかったです。

この本は、私の4年間の妊活体験記。

妊活中の方に、少しでもストレス軽減になったらいいなと思って書きました。

皆さんには、背負いこみすぎの荷物をおろしてもらいたいと思っています。

大人の授かりBOOK
(書影提供:ワニブックス)

ーー加藤さんが不妊クリニックに通いはじめたのは42歳ですが、当時はどんなことを感じましたか?

「私は本当に無知だった」ということです。

毎月生理があって普通の体力があれば、子どもは授かるものと思ってました。

私の周りもすんなりと妊娠していた人が多かったので、まさか自分が不妊治療するなんてまったく頭になかったですね。

私は30代前半から、自己流の「タイミング法」で妊活はしていたんです。

でも30代は仕事も忙しかったこともあり、8年経過してもなかなか授からなくて…。

そんなとき、映画監督の堤幸彦監督に紹介された不妊クリニックに夫婦で行ってみることにしました。

加藤貴子さん

夫は「妻の付き添い」ぐらいの気持ちだったと思います。

クリニックに予約の電話をして私の年齢を告げたら、「なるべく早く来てください」と言われました。

先生からは「8年間タイミング法をトライしても子どもが授からないなら、まず夫婦ふたりの検査をしましょう」と、初診から検査することに。

そこで発覚したのが、夫の男性不妊。

本人は思いもよらなかったでしょうね。精子の運動率が10%という結果だったんです。

さらに、30代後半から「卵子の老化」が急速に進むことも知りました。

そんなすべての情報がショッキング。最初はなかなか現実を受けとめることができませんでした。

流産の悲しみと向き合って気づいたこと

悩む加藤貴子さん

ーー初診でそんな結果がでたら、頭のなかが真っ白になりますよね…。
加藤さんは妊活中、精神的につらいとき、どんなことが支えになりましたか?

それはやっぱり、夫の気づかいや言葉です。

私は一人目の出産にいたるまで3回、稽留流産を経験したんですね。

あまりにも悲しい出来事で、「なぜもっと妊娠について調べなかったのか」という後悔で押しつぶされそうになりました。

なんとかして、子どもが欲しい。

私が、主治医の先生に食らいつくように「今すべきことはなんですか?」と聞いたら、「楽しく過ごしてください」と、それだけのアドバイスだったんです。

「治療のことはクリニック側に任せてください。それ以外は、規則正しい生活をこころがけて、ご飯をおいしく食べたり散歩したり、楽しく過ごしてください」と言われたんですが、どう過ごしていいのかわからない。

当時の私は、流産の悲しみから目を背けることしかできませんでした。

ある日仕事場から主人が「月がすごく綺麗だから外に出てごらんよ」って、電話をくれました。

私は外出する気分になんてなれなかったのですが、つらいのは主人も同じはずだと思い、外へ出て夜空を見上げると本当にすごく月が綺麗だったんです。

何十年に一度のスーパームーンの日で、それを見ていたらたくさん涙がこぼれてきて…。

多分、一生のうちでいちばん泣いた日だと思います。

ーーフタをしていた感情が、一気にあふれてきたんですね。

それまで、流産の悲しみをどう受け止めていいのか分からなかったんです。

今までの私は「辛いときこそ笑顔で乗り越えよう」、「努力すれば報われる」っていう感じでやってきたんですが、心が限界になってパンクしたんでしょうね。

私は自分のために泣いてあげることすらしていなかったと、そのとき気づきました。

悲しみにきちんと向き合えるようになったら、ネガティブな思考にとらわれる時間もちょっとずつ短くなってきて、ちょっとずつ生活を楽しむ感じが分かってきました。

もちろんネガティブになる日もあるんですけど。

当時、主人に言われた「妊活中も命を育む期間と思って過ごそう」っていう言葉にもすごく支えられましたね。

頑張るより力の抜き方が大事

手を握る加藤貴子さん

ーー素敵なご主人ですね。妊活中は夫婦の温度差がうまれて、それがなにより辛いという方も多くいらっしゃいますが…

もちろん、うちも温度差があったり、気持ちがすれ違うときがたくさんありました。

うちの主人いわく「妊活中の嫁は鬼に見えて、嫁から旦那は体たらくに見える」って言ってます(笑)。

男性は自分が妊娠するわけではないので、どうしても当事者感がでてこないものだと思うんですよ。

でも実際、子どもが生まれると男の人ってめちゃくちゃ可愛がる方が多いですよね。

主人もめちゃくちゃ息子たちを、可愛がっています。

こんなに可愛がってくれるなら、妊活中から同じ温度感でもっと協力してほしかったよ!って言いたくなるほど(笑)。

ーーパートナーと気持ちをひとつにして、妊活をつづけていくのは難しいことですよね。加藤さんは、どんな工夫されてきましたか?

ある日、主人が私に「急に排卵日きたって言われても、そんな気になれないよ」って言われて、私の怒りが爆発しちゃったときがあるんです。

私が、強要している悪者みたいに言われた気がして。

それでまた自暴自棄になって、典型的な妊活クライシスになったりもしました。

私はそのとき、「自分がどれだけ子供が欲しいか」という気持ちをまっすぐ主人に伝えました。それをきっかけに、夫の意識が変わってくれたと思います。

ちゃんと向き合って話し合うのって、本当に大事なんですよね。

たとえ頼りなく見えても、奥さんに寄り添ってくれる人は旦那さんだけ

寄り添うって、そんなに難しいことではありません。

私たち夫婦の場合は小さいことにお互い感謝するようになって、いい関係になってきました。

笑顔の加藤貴子さん

ーーちょっとした気づかいや感謝で、妊活のストレスって減っていくんですね。では最後に「赤ちゃんの部屋」の読者に向けて、一言メッセージをお願いします。

『大人の授かりBOOK』は、指南本のように思われがちなんですけど、私の体験談で、妊活についての理解がたくさんの人に浸透するといいなと思って書いたものです。

だから、ぜひ男性にも読んでもらいたいと思っています。

現在、妊活や不妊治療をされいて、このサイトまでたどり着いた人は、すでにたくさんの努力をしている人たち。まずはそんな自分を褒めて、認めてあげてください。

そして、頑張りすぎず、どこで力を抜くかを考えてください。

旦那さんと美味しいものを食べにでかけようとか、妊活中はそういう小さな息抜きがすごく大事だと思います。

(取材・文/「赤ちゃんの部屋」編集部)
(撮影/熊原美恵)

加藤貴子さん出版

プロフィール

加藤貴子(かとうたかこ)

1970年生まれ、静岡県出身。1995年から女優として活動をスタート。
以降、TBS系ドラマ『温泉へ行こう』シリーズの主演をはじめ、同局系『花より男子』、『南極大陸』、テレビ朝日系ドラマ『科捜研の女』シリーズなどに出演。
2013年10月、一般男性と結婚。2014年11月に第1子となる男児、2017年8月に第2子となる男児を出産。

オフィシャルブログ「UCKY SMILE」
『大人の授かりBOOK~焦りをひと呼吸に変える がんばりすぎないコツ~』(ワニブックス)

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