MR(麻しん風しん)ワクチンの副作用は?予防接種はいつがいい?

0歳から2歳にかけては、受けなければならない予防接種がたくさんあります。

「予防接種って赤ちゃんに副作用がないか心配」
「接種スケジュールがわからない」
などママの疑問はつきないものです。

今回はそのなかの一つであるMRワクチンについて、予防できる病気やワクチンの副作用、接種スケジュールなど、ママが気になることをまとめました。

MRワクチンとは?

MR(麻しん風しん)ワクチンの副作用は?予防接種はいつがいい?MRワクチンとは、麻しん風しん混合ワクチンのことです。

このワクチンを接種することで、麻しんと風しんに対する抗体ができ、感染を予防することができます。

まずはこの麻しんと風しんという感染症がどのような病気であるかみてみましょう。

麻しんってどんな病気?

麻しん(ましん)は、「はしか」とよばれることもある感染症です。

麻しんウイルスによって、人から人へ感染する病気で、感染力が非常に強いといわれます。

免疫を持っていない人が感染した場合は、ほぼ100%発症します。

麻しんの症状は?

潜伏期間は約10日間です。
最初は発熱(38度程度)せき鼻水など、風邪のような症状から始まります。

38度程度発熱が2〜3日続いた後、39度以上の高熱発疹が出るのが特徴です。
その後それらの症状は、通常は、7〜10日かけて回復します。

ただし全身の免疫が低下するため、肺炎や中耳炎などの合併症をおこすこともあるため、注意が必要です。

重症の合併症としては、1000人に1人の割合で脳炎が発症し、1000人に1人の割合で死亡するといわれています。

非常にまれなケースではありますが、10万人に1人の割合で、感染後7〜10年後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を発症することがあります。
これは、知能障害、運動障害が進行して最終的には死に至る疾患です。

感染力が強いうえに、最悪の場合、死の危険がある麻しんは、とても怖い感染症であるといえるでしょう。

麻しんの治療法は?

現在のところ、麻しんの治療薬はありません

重い症状に対して対症療法をおこない、自然に回復するのを待つくらいしかできません。

しかしワクチンを接種することで、麻しんの感染を予防することは可能です。

麻しんの単独ワクチンも存在しますが、現在、日本で定期接種として使用されているのは、麻しんと風しんの両方を予防する混合ワクチンであるMRワクチンです。

近年では、海外の麻しんウイルスが国内に入ってくることで、成人に麻しんが流行するという現象もみられます。

成人がかかると重症化する傾向にあり、家族内での感染も心配されます。

赤ちゃんのときにワクチンを接種して免疫を得ておけば、大人になっても麻しんにかかることはありません。

参考:厚生労働省「麻しんについて」
参考:東京都感染症情報センター「麻しんQ&A 麻しんの基礎知識」

風しんってどんな病気?

風しんは、「三日ばしか」とよばれることもある感染症です。

風しんウイルスによって、人から人へ感染する病気です。

風しんの症状は?

潜伏期間は2〜3週間です。

発症した場合の症状には、発熱、発疹、耳の後ろのリンパ節の腫れなどがみられます。
なかには感染してもなんの症状も現れないケースもあります。

風しんの症状は子どもの場合は比較的軽く、発症しても3〜5日後には症状がおさまることがほとんどです。
大人が感染すると重症化しやすいといわれます。

女性が妊娠初期に風しんに感染すると、胎盤を通して赤ちゃんが感染し、先天性風しん症候群(白内障や難聴、 先天性心疾患など)を発症することがあるため、注意が必要です。

合併症としては、まれに、血小板減少性紫斑病や脳炎を発症することがあります。

風しんの治療法は?

現在のところ、風しんの治療薬はありません
重い症状に対して、対症療法をおこないます。

しかしワクチンを接種することで、風しんの感染を予防することは可能です。

風しんの単独ワクチンも存在しますが、現在、日本で定期接種として採用されているのは、麻しんと風しんの両方を予防する混合ワクチンであるMRワクチンです。

日本では、2012〜2013年にかけて、20代〜30代男性を中心に風しんが大規模発生しています。

MRワクチンが定期接種ではなかった年代の人の間では、集団発生する可能性もあり、そうなると夫婦間、家族間の感染も懸念されます。

参考:厚生労働省「風しんについて」
参考:東京都感染症情報センター「風しん」

MRワクチンの副反応

MR(麻しん風しん)ワクチンの副作用は?予防接種はいつがいい?
麻しんも風しんもかかると、有効な治療薬はなく、自然な回復を待つしかありません。

しかし予防接種を受けることで、ほぼ生涯にわたり、この感染症を予防することができるのです。

ただしどのようなワクチンもわずかとはいえ、副反応がみられるもの。

予防接種についてもっとも気になることは、接種後の副反応(副作用)というママも多いでしょう。

気になるMRワクチンの副反応について解説します。

MMRワクチンからMRワクチンへ

1989年から1993年4月までのあいだには、MMRワクチンが定期接種として選択できました。

MMRワクチンは、麻しん、風しん、おたふくかぜを予防する混合ワクチンです。

しかしおたふくかぜワクチンが原因と思われる無菌性髄膜炎が多発したために、日本では、1993年にMMRワクチンの接種は中止となりました。

その後おたふくかぜワクチンをのぞく、麻しんと風しんの混合ワクチンであるMRワクチンを開発、2006年から定期接種として使用されるようになりました。

MMRワクチンとMRワクチンは名前もにており、無菌性髄膜炎を発症するという副作用を心配する方もいるかもしれません。

MRワクチンは、無菌性髄膜炎の発症で問題となったおたふくかぜワクチンをのぞいたものなので、無菌性髄膜炎の心配はありません。

参考:国立感染症研所「麻しんワクチンについて」

MRワクチンの副反応の症状は?

MRワクチンの副反応として、もっともよくみられる症状は発熱です。

接種後、発熱がみられる人は約13%、麻しんと同様の発疹がみられる人は約6%。

これらの症状は接種後5日〜2週間後にかけてみられるものです。

接種した部位が赤くなったり、腫れたりする局所反応が現れることもありますが、一時的なものにすぎず、自然に治ります。

アレルギー反応として、じんましんを発症する人は約3%です。

そのほか約3000人に1人の割合で、熱性けいれんがみられます。
まれに脳炎、脳症がみられますが、100〜150万人に1人以下の頻度です。

2回目の接種では、接種部位の局所反応がでることはありますが、1回目のような発熱などの副反応が出ることはほとんどありません。

参考:国立感染症研所「麻しんワクチンについて」

卵アレルギーでも大丈夫?

麻しん含有ワクチン(単独の麻しんワクチンおよびMRワクチン)は、ニワトリの胚細胞を使って作られています。

卵そのものを使っているわけではないので、卵アレルギー反応を心配する必要はありません。

しかし今までにアナフィラキシーショックなどを起こしたことがあるなど、強いアレルギーをお持ちの場合は、接種前に必ず医師に相談してください。

参考:厚生労働省「麻しんについて」

MRワクチンの接種対象とスケジュール

MR(麻しん風しん)ワクチンの副作用は?予防接種はいつがいい?
MRワクチンは定期接種となっており、対象者であれば無料で接種を受けることができます。

接種回数は、第1期と第2期の2回の接種が推奨されています。

推奨スケジュール

第1期:1回目の接種は1歳のあいだ(1歳になる誕生日から2歳の誕生日を迎えるまで)におこないます。

第2期:2回目の接種は、小学校に入学する前年(普通は、保育園年長組の1年間)に接種します。

接種が2回必要な理由は、免疫を完全なものにするためです。

1回目の接種で免疫を得られない子どもは、数%いるといわれます。
1回目の接種で免疫はついたが、時間の経過とともに減退している子どもや、なんらかの理由で1回目の接種が受けられなかった子どももいます。

そのような子どもが免疫をつけるために、2回目の接種が推奨されているのです。

参考:日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」
参考:国立感染症研所「麻しんワクチンについて」

推奨される同時接種

たくさんの予防接種を効率的に受けるため、日本小児科学会では同時接種を推奨しています。

MRワクチンの第1期接種においては、1歳の誕生日を迎えたあとできるだけ早く、水痘ワクチン(定期接種)、おたふくかぜワクチン(任意接種)との同時接種が推奨されています。

またMRワクチンは生ワクチンに分類されるため、次回の別の予防接種を受ける場合は、通常4週間、間隔をあけましょう。

参考:日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」

0歳児で接種が必要なケースとその後の接種回数

1回目のMRワクチンの接種は、1歳のときに受けることが推奨されています。

1歳まで接種を待つのは、ワクチンを接種しても、1歳未満の乳幼児では十分な免疫を得られない可能性が高いためです。

0歳児において麻しん、風しんのワクチンの接種が推奨されるのは、お住いの地域において、麻しんや風しん患者の発生がみられるような緊急の場合です。

ママから受けとった抗体がなくなる生後6ヶ月以降の0歳児が対象となります。

しかしこのように0歳児で緊急に受けた接種は、MRワクチン接種の1回目にはカウントされません。

1歳未満に接種した場合、十分に抗体が形成されるかどうかについてのワクチンの有効性が確認されていないためです。

通常の推奨スケジュールにそって、第1期に1回目、第2期に2回目のMRワクチンの定期接種を受けましょう。

参考:国立感染症研究所「麻しんワクチンについて」
参考:国立感染症研究所「麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種の考え方」

定期接種の対象者は?

2006年からMRワクチンは定期接種として使用されています。

定期接種の対象者は、以下のようになります。

第1期:1歳以上2歳未満の子ども
第2期:小学校の入学前の一年間、保育園、幼稚園の年長組に当たる幼児

上記に当たらない場合は、任意接種となり、ワクチン接種に関しては料金がかかってしまいます。

MRワクチンを任意で接種した場合の料金は、医療機関ごとに異なりますが、1回にあたり1万円前後かかります。

できるだけ、定期接種の対象年齢のうちに受けましょう。

上記以外で接種が推奨される人

定期接種の対象者以外でも以下にあてはまる場合は、MRワクチンの接種が推奨されます。

任意接種になりますが、できる限り接種することをオススメします。

  • 麻しんや風しんの抗体を持たない(あるいは低免疫)の妊婦の家族
  • 麻しんや風しんの発生がみられる地域の生後6ヶ月から11ヶ月の乳幼児
  • 0歳児の家族
  • 2歳以上で、MRワクチンをまだ受けてない人、あるいは接種歴がわからない人
  • 小学生以上で、MRワクチンの1回目を受けてない人、または1回目しか受けてない人、あるいは接種歴がわからない人
  • 医療関係者
  • 保育関係者、教育関係者
  • 1ヶ月以内に海外旅行、国内旅行を予定している人など

麻しんウイルス、風しんウイルスは感染力が強く、家族間で感染するリスクが高い感染症です。

免疫のない0歳児のいる家庭では、十分な注意が必要です。

参考:国立感染症研究所「麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種の考え方」
参考:公益社団法人日本小児科学会「MRワクチンの接種推奨対象者について」

予防接種を受けられないケース

予防接種は、体調のよいときに受けるのが基本です。
次のようなときは、予防接種を受けることはできません。

  • 発熱している(37.5度以上)場合
  • 下痢や嘔吐など急性疾患にかかっている場合
  • 妊娠している場合
  • 医師により不適当と判断された場合

以下のような場合は、接種してもいいかどうか医師に相談してください。

  • 過去、ほかの予防接種で熱を出したり、アレルギー反応を起こしたことがある
  • 免疫機能に異常がある疾患がある
  • 肝臓疾患、腎臓疾患、血液疾患などの疾患がある

参考:国立感染症研究所「麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種の考え方」

接種後の注意点と副反応

MRワクチンを接種したあとには、以下のことに注意してください。

    • 30分は、安静にして様子をみる

(万が一に備え、院内で待機が好ましい)

  • 接種当日は接種前・後ともに、はげしい運動をさせない
  • 接種当日の入浴はできるが、接種部位はこすらない
  • 接種後に副反応が出ることがあるため、接種後2週間は、赤ちゃんの健康状態をよく観察する

忘れずに定期接種の期間に受けましょう

MR(麻しん風しん)ワクチンの副作用は?予防接種はいつがいい?
MRワクチンは、麻しん、風しんを予防するための混合ワクチンです。

定期接種として受けられる時期が限定されているので、1歳の間に1回目を必ず受けましょう。

忘れがちな2回目の定期接種期間は、小学校入学前の一年間です。

2回の接種をうけることで麻しん、風しんに対する免疫をしっかりとつけることができます。

定期接種できる期間を逃すと、任意接種となり料金がかかり、もったいないので忘れないように、予防接種スケジュール表などを作っておくといいですね