夜泣き専門保育士に聞く!赤ちゃんの夜泣きの原因と対策法とは?

毎晩つづく赤ちゃんのはげしい夜泣きに、睡眠不足、産後うつになっていませんか?

この夜泣き問題、じつは「部屋の環境」と「寝かしつけ習慣」を少し見直すだけで、改善できるといいます。

今回、そんな改善法を教えてくれるのは、ご自身の壮絶な夜泣き経験を機に、夜泣き専門保育士になられた清水悦子先生

睡眠医学、心理学をおりまぜ、赤ちゃんとママのために研究をかさねてきた「夜泣き対策法」をうかがいます。

赤ちゃんの眠りを妨げる3つの問題

清水悦子
夜泣き専門保育士・清水悦子先生

まず、夜泣きを引き起こす原因には、どんなものがあると思いますか?

大きく分けて3つあります。

(1)体内時計のリセット機能がない

地球のサイクルは1日24時間ですが、人の体内時計は平均24時間よりやや長い周期となっています。

地球のサイクルと体内時計と、そのままだと少しずつ後ろにズレていくのです。

体にはこのズレをリセットする機能も備わっていますが、この機能は生後1カ月ごろから動き始めるので、親がきちんと睡眠サイクルをコントロールしてあげないと、夜うまく眠れない日が続くようになります。

こうしたことが、夜泣きを引き起こす原因になるのです。

リセット機能を身につけるコツは、「朝は明るくにぎやかに、夜は暗く静かに過ごす」こと。

次の習慣はその妨げになるものなので、該当する箇所はすぐに改善しましょう。

体内時計のリセット機能を妨げる生活習慣
◇起床&就寝時刻がいつもバラバラ
◇総睡眠時間が日によって2時間以上異なる
◇昼間の外出が少なく、日に当たる時間が短い
◇夜でも室内が明るい
◇夜でも賑やかな環境

(2)寝かしつけ習慣

夜泣きを改善するためには「ひとりで眠る力」を育てることも、とても大切。

その力をさまたげるのが、次のような寝かしつけの習慣だと考えられています。

ひとりで眠る力を妨げる、寝かしつけ
◇毎日ちがう方法で眠りにつかせる
◇ぐっすり眠るまで抱っこする
◇授乳させたまま寝落ちさせる

赤ちゃんはもともと眠りが浅いので、夜間はよく目を覚ましています。

上記のような習慣のある場合、目が覚めるたびにママに助けを求めて泣き出す…というクセがついてしまわないように気をつけましょう。

(3)寝言泣き

起きて泣いているように見えても、じつは目が覚めたわけではない「寝言泣き」の場合もあります。

とくに40〜60分ごとに泣くのは「寝言泣き」の可能性が高く、すぐに抱っこしたりせず様子を見ることがポイント。

泣き声を聞くと思わず抱きかかえたりしたくなりますが、それがかえって眠りを妨げてしまうこともあります。

4つの夜泣き対策

ママと赤ちゃんの部屋

赤ちゃんの夜泣きのメカニズムがわかったところで、次は対策法を4つご紹介します。

(1)朝7時までに起こす

赤ちゃんの、体内時計のリセット機能を身につけるには、朝7時(遅くとも8時)までに起きる習慣をつけましょう。

朝起きたら、まずカーテンを開けて太陽の光を部屋に取り入れること。

朝の日差しは、体内時計をリセットするスイッチになります。

そして午前中は、お散歩や外遊びなど活動的に過ごしましょう。

日中、しっかりお日様に当たっておくと、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が高まるので、夜深い眠りにつきやすくなるのです。

(2)夜8時までには眠る

夜寝る時間が遅くなるとおのずと起床時刻も遅くなってしまうので、夜8時までに赤ちゃんが眠れるよう、心がけてください。

夜型生活がつづくと、体内時計のスイッチ機能がいつまでも身に付かず、それが赤ちゃんの睡眠を妨げる原因にもなります。

(3)寝る30分前から部屋を暗くし、静かに過ごす

スムーズに寝かしつけるために、眠りに着く30分前から室内を暗くして静かに過ごすようにしましょう。

テレビやパソコン、携帯の使用は禁物です。

声はいつもよりもワントーン低くして、ゆっくり優しく語りかけ、スキンシップもたっぷりとるようにしましょう。

こうした習慣は日中の興奮を静め、眠りにつきやすい状態へと導いてくれます。

(4)寝かしつけ方法はいつもと同じにする

赤ちゃんは、「十分な安心感」を得ることで安らかな眠りについてくれます。

この安心感は、習慣によって作られていくもの。

つまり、「いつもと同じ」寝かしつけをすることがポイントなのです。

そこで、おすすめなのが添い寝。これなら、かんたんに実践できますね。

でも添い寝だけではなかなか寝てくれない、という赤ちゃんもいます。

そんな場合は、次の方法を試してみてください。

赤ちゃんのタイプ別・寝かしつけのポイント

(1)おっぱいが好きな赤ちゃん
おっぱいに代わる、手触りのいいタオルやぬいぐるみなどをわたして、お腹をとんとんしたり、「ねんね〜」と声をかけ、眠る時間であることを地道に伝えます。

(2)敏感ですぐに目を開けてしまう
おでこを上から下になでおろすか、ぐるぐる円を描くようになでてあげましょう。
「大丈夫、大丈夫」と優しく声をかけてあげるのも有効です。

(3)ママの気を引こうとするタイプ
たぬき寝入りで応戦しましょう。
室内に危険なおもちゃを置かないようにして、赤ちゃんが何をしてきても、ひたすら寝たふりをつづけてください。

赤ちゃんの眠りを妨げるパパのNG行動

パパ添い寝

パパの日々の習慣が、じつは赤ちゃんの眠りを妨げていることもあります。

とくに、パパが次のような行動を習慣的にしていたら、夜泣きの原因になることを伝えて、改善してもらうようにしましょう。

パパのNG行動
◇夜、寝ている赤ちゃんを起こす
◇寝室のそばでテレビを大音量
◇就寝前の激しい遊び
◇スマホで寝かしつけ

またお風呂はパパの役割というご家庭では、できるだけ7時半には済ませられるよう、意識してください。

夜泣きはパパとママの行動で改善

パパママ添い寝

夜泣きが続いてしまうと、どうしても赤ちゃんを可愛く思えなくなったり、イライラして、声を荒げたくなる瞬間もあるかもしれません。

だからこそ、我慢や無理は禁物。

そして、できることからパパも巻き込んで行動を変えてみましょう。

今回ご紹介した方法を試してみても、あまり効果を感じないという方もいらっしゃいます。

赤ちゃんの個性もそれぞれちがうので、 確実な方法ではありません。

寝かしつけを変えようと、新しい寝かしつけ方法を1週間試しても効果を感じないときは、「実践するタイミングではない」といったん中止して、また1ヶ月後に試してください

はやく改善しようと焦らずにつづけることが大切。

ぜひ1つでも2つでも、今回ご紹介したコツを取り入れてみてくださいね。

(取材・文/染矢真帆)

プロフィール
清水悦子(しみず・えつこ)

NPO法人赤ちゃんの眠り研究所 代表理事
茨城キリスト教大学児童教育学科助教

大阪府生まれ。理学療法士として病院や施設に勤務後、女児を出産。生後6ヵ月から始まった壮絶な夜泣きとその改善体験をきっかけに保育士資格を取得し、夜泣きのサポート活動を開始。2014年任意団体「赤ちゃんの眠り研究所」を設立し、2016年5月NPO法人化。現在、法人認定の13名の乳幼児睡眠アドバイザーが各地で赤ちゃんの眠りの講座を開催するなど活躍している。
著書に「赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド」(かんき出版)等がある。

<NPO法人赤ちゃんの眠り研究所>
http://www.babysleep.jp/

清水悦子先生の著書紹介
赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド

『0歳からのネンネトレーニング 赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』
著者 清水悦子 / 監修 神山潤
(かんき出版)

流山市公益事業

(取材ご協力)
本記事は、H30年度流山市公益事業『子育てを孤育てにしない事業』の一環として実施された、赤ちゃんと一緒に流山de美ヨガ&ダンス♪主催の「赤ちゃんの眠り講座」の取材をもとにまとめたものです。