生まれたばかりの赤ちゃんが、しゃっくりをしているのを見て「苦しそう…」と感じたことはありませんか?
「しゃっくりを止めてあげたいけど、どうすればいいの?」と思うママ・パパは多いようです。
頻繁にしゃっくりをしていると、病気ではないかという心配もあるでしょう。
この記事では、新生児や赤ちゃんがしゃっくりをする原因と、しゃっくりを止める方法についてまとめました。
新生児~6ヶ月ごろまでのしゃっくりは生理的現象
新生児~6ヶ月ごろまでの赤ちゃんのしゃっくりは、生理的現象です。
ママのお腹にいるときから、しゃっくりをする赤ちゃんがいます。
新生児~6ヶ月ごろの赤ちゃんは、身体の機能が未熟のため、しゃっくりが多くても問題ありません。
しゃっくりが始まっても、いつの間にか止まっていることが多いでしょう。
しゃっくりの回数が多く、赤ちゃんが苦しそう、母乳やミルクを飲まないなどの様子であれば、医師に診てもらいましょう。
新生児~6ヶ月ごろの赤ちゃんは、なぜしゃっくりが多いのか、原因を詳しく説明します。
新生児のしゃっくりが多い原因は?
しゃっくりは、肺の下の横隔膜という筋肉が痙攣(けいれん)することで起こるようです。
赤ちゃんは、横隔膜の発達が未熟なため、少しの刺激でもしゃっくりをしやすいのです。
では、どんなときに横隔膜が刺激されるのか、みていきましょう。
母乳やミルクを勢いよく飲む
母乳やミルクを勢いよく飲むと、しゃっくりがでやすいです。
母乳やミルクと一緒に、赤ちゃんが空気を飲み込んでしまうため、飲んだものや空気が横隔膜を刺激します。
赤ちゃんが急いで飲みすぎてしまわないよう、ママが様子をみましょう。
また、ミルクの温度がいつもより熱いと横隔膜を刺激するので、温度管理をしっかりおこなってください。
参照:サイト:香川県小児科医会「1 ヶ月健診 子育てガイドブック」
気温や体温の変化
ちょっとした気温の変化や、赤ちゃんの体温が下がるとしゃっくりが出やすくなります。
気温が下がり体が冷えると、冷えが赤ちゃんへの刺激となり、しゃっくりが出るのです。
おしっこやうんちなど、排泄をした後はおむつが濡れて身体が冷えるため、とくにしゃっくりが出やすくなります。
排泄をしたあとは、すぐにおむつを取り替えてください。
オススメの室温と湿度
湿度
- 40~60%前後
室温
- 夏:25~28 度
- 冬:20 度前後
赤ちゃんが快適に過ごせる湿度や室温は、上記です。
加湿器や冷暖房を使って、快適な室内にしましょう。
薬やアレルギーが原因の場合も?
ごくまれですが、薬の副作用やアレルギーが原因でしゃっくりを起こす場合があります。
病院で処方された薬でも、しゃっくりを引き起こす場合があるので、長く続いて赤ちゃんの様子が苦しそうであれば病院へ行きましょう。
しゃっくりを起こしたときに、鼻水・くしゃみ・湿疹などのアレルギー反応がないかをチェックしてください。
薬の副作用やアレルギーが原因の場合は少ないので、赤ちゃんが元気でいつもと変わりなければ心配いりません。
新生児のしゃっくりの止め方5つ
新生児や赤ちゃんの、しゃっくりの止め方を5つ紹介します。
1:飲み物を飲ませる
赤ちゃんがしゃっくりをしたら、お湯や麦茶・母乳やミルクを飲ませましょう。
大人でも飲み物を飲んだら止まることがあるように、赤ちゃんも飲み物を飲むとしゃくりが止まることがあります。
乳児期は、母乳やミルクでかまいません。
ぬるめのお湯やお茶など、飲み物をゆっくり赤ちゃんへ飲ませましょう。
2:おむつを替える
赤ちゃんのおむつを替えると、しゃっくりが止まることがあるでしょう。
排泄した後に、おむつが濡れたままだと、赤ちゃんの身体が冷えます。
赤ちゃんの身体が冷えると、しゃっくりが出ることがあるので、おむつを替えてください。
しゃくりが出なくとも、おむつかぶれの予防の意味もあるため、おむつが濡れたらすぐに替えるのが大切です。
3:授乳後はゲップをさせる
授乳の後にしゃっくりが出る場合は、赤ちゃんにゲップをさせましょう。
授乳で空気を飲み込んでいるので、ゲップをすることでしゃっくりが治まることがあります。
とはいえ、生後5~6ヶ月ごろまではしゃっくりに関係なく、赤ちゃんにゲップをさせるのが大切です。
哺乳瓶の乳首を、赤ちゃんの月齢に合ったものを使用することで、授乳のときに空気が入りにくくなります。
乳首の選び方は、次の記事を参照ください。
母乳の場合は、おっぱいを深くくわえさせるようにすると、空気が入りにくいでしょう。
下記の記事では、新生児のゲップについて詳しく説明しています。
4:身体を温かくする
赤ちゃんの身体を温かくすることは、しゃっくりを出にくくします。
赤ちゃんは、身体が冷えてしゃっくりが出る場合があるのです。
気温が低い場合は、部屋の温度をあげたり、おくるみや暖かい服を着せてください。
湿度は40~60%前後、室温は夏は 25~28 度、冬は 20 度前後が目安です。
5:背中をトントンしたり、姿勢を変える
背中を優しくトントンとたたいたり、赤ちゃんの姿勢を変えることで、しゃっくりが止まることがあります。
背中をたたくときは、赤ちゃんを縦抱きにして、やさしくトントンとたたきましょう。
ポイントは、力を入れすぎないことです。
強くたたくと、赤ちゃんが吐いてしまう可能性があります。
背中をトントンしたり、さすってあげるとママが・パパと密着できて体温があがるため、冷え対策になるでしょう。
新生児のしゃっくりを止めるときの注意点
新生児や赤ちゃんの、しゃっくりを止めるときの注意点を説明します。
大人のように驚かすのはNG
新生児や赤ちゃんに、大人と同じように驚かすのはいけません。
しゃっくりを止めるときに、「驚かす」というのはよくある方法のひとつです。
実際に驚いたことで、しゃっくりが止まったという経験がある人はいるでしょう。
しかし、赤ちゃんのしゃっくりを止めるために、驚かすのはNGです。
おどろいて泣き出したり、赤ちゃんに恐怖心を与えるかもしれません。
また「息を止める」「水を一気に飲む」というのも、大人であればよく使う対処法ですが、赤ちゃんにおこなうのは危険なのでやめてください。
うつぶせ寝
赤ちゃんをうつぶせにすると、動くことに気が紛れてしゃっくりが止まる場合があるようです。
しかし、うつぶせ寝にすると、新生児の赤ちゃんはとくに窒息する可能性があり、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まります。
うつぶせにするのは、赤ちゃんが起きていて、親が見ているときだけにしましょう。
うつぶせのまま、寝かせるのはオススメできません。
新生児のしゃっくりが病気の可能性は?
新生児や赤ちゃんのしゃっくりは、ほとんどの場合は、ほっといても問題ありません。
赤ちゃんの元気がなく、しゃっくりが苦しそうな場合は下記を確認してください。
- 2時間以上しゃっくりが止まらない
- くしゃみ・鼻水・発熱などの症状がある
- 呼吸が苦しそう
- ミルクや母乳をよく吐く(吐き気がある)
- ミルクや母乳を飲む量がいつもより少ない
- ぐったりして元気がない
しゃっくりと合わせて、上記のような症状が出ている場合は、小児科に受診してください。
しゃっくりが出る病気には、下記が考えられます。
逆流性食道炎
胃液が逆流することで、食道の粘膜が炎症を起こしている状態を逆流性食道炎といいます。
赤ちゃんは、胃からの逆流を防止する筋肉がしっかり発達していないために、逆流性食道炎になりやすいです。
しゃっくりのほかによだれを垂らしていたり、ミルクや母乳を噴水のように吐く場合は、逆流性食道炎の可能性があるでしょう。
逆流した内容物が器官に入ると肺炎や気管支炎になる可能性があり、最悪は窒息することもあるので注意が必要です。
大人であれば、手術をして人工的に逆流を防ぎますが、赤ちゃんの場合は成長して逆流を防ぐ仕組みが整うのを待ちます。
それまでは、授乳時の体勢に気をつけたり、ミルクや母乳の量を減らして回数を増やすなどの対策をとりましょう。
新生児のしゃっくりは苦しくない!
しゃっくりは、新生児や赤ちゃんにとって苦しくありません。
生まれてから生後6ヶ月ごろまで見られる、生理的な現象です。
ママのお腹の中にいる、胎児のときからしゃっくりする子がいます。
ほとんどの場合、ほっといてもしゃっくりは止まるので、自然に止まるのを待ちましょう。
しゃっくりの頻度が多く、ママ・パパが気になるようであれば、紹介した止め方を試してくださいね。
赤ちゃんが苦しそうだったり、いつもと違う様子であれば病院へ行きましょう。
赤ちゃんが元気であれば、心配はいりません。
焦らず見守ってくださいね。