近年働く女性が増え、社会でたくさんの女性が活躍するようになりました。
それにともない晩婚化、晩産化が進み、不妊に悩む女性が増えているといわれています。
高齢出産といわれる35歳前後で、妊活や不妊を意識する方が多いようですが、同時に30代は職場でのキャリアアップの時期でもあるのです。
仕事と妊活の両立に不安があり、本格的な妊活に踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
しかし30歳を超えると目には見えないけれど卵子の老化が進み、妊娠しやすい環境が整いにくくなります。
加齢が妊娠に与える影響を知り、妊活を始めるタイミングについて考える際の参考にしてみてください。
30代女性が妊活に踏み出せない理由
会社でも重要なポジションを任される30代。
しかし、不妊クリニックに通うと通院頻度も多く、ステップアップが進むと排卵日に合わせて必ず病院に行かなくてはならないこともあります。
どう考えても、女性のほうが男性よりも負担が大きくなりがちです。
そういう面からも仕事との両立が難しそうとなかなか踏み出せない方が多いようです。
それだけではありません。
働く30代は見た目も若々しく元気な女性が多いので、「妊娠もなんとかなる」と考える方も少なくありません。
「できれば自然妊娠で授かりたい」というのは誰もが思うこと。
仕事以外にも、妊活に対し足踏みする要因があるようです。
妊活にもリミットはある!
しかし、ご存知の方も多いと思いますが妊娠率は22歳をピークに下がるといわれています。
「赤ちゃんが欲しい」と思ってもすぐに授かるとは限りません。
ですので、30歳を超えたら少しでも早く妊活を始めることをオススメします。
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平均妊活期間は年齢で変わる!
避妊をせずに性行為する生活を続けたカップルの8割以上が1年以内に、9割以上が2年以内に妊娠をするといわれています。
しかし、年代別にみてみると違いが出てくるのです。
妊活を始めてから妊娠するまでの期間を示した上記のデータをみると、20代では平均2~3ヶ月ですが、35歳を超えると平均6ヶ月もかかることがわかります。
20代と30代の妊娠率の差が影響している可能性が高いのです。
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30代は体内環境の変わりどき
初産の平均年齢が30歳を超えた今、高齢出産も珍しくはありません。
ところが、35歳を超えると妊娠率が低下するというのも事実です。
32歳頃までは下がり方も緩やかですが、37歳をすぎると急激に低下するそうです。
これには体内環境の変化が大きく関係しています。
卵子の老化と数の減少
妊娠に必要な要素のひとつが、卵子の状態です。
30代に入ると肌荒れやシミが気になったり、体力の衰えや体調の変化を感じますよね。
同じように卵子も老化します。
精子が日々新しく作られるのに対して、卵子が作られるのは、なんとお母さんのお腹にいるとき(上記の図だと「胎生」)に一定量作られ、その後は作られません。
既に体内にある卵子が、生理のたびに少しずつ外へ出ていくのです。
つまり、年齢を重ねた分だけ卵子の数は減り老化しているのです。
老化した卵子は受精率が低いので、高齢になればなるほど妊娠がしにくくなります。
年齢が若いほど妊娠率が高いのは、若いほうが卵子の数が多く健康だからなのです。
ただ、持っている卵子の数は人によって違います。
身体が健康かどうかでも妊娠率は変わってきます。
個人差がありますので、不安になりすぎず自分のペースで妊活について考えることが大切です。
30代は婦人科系の病気が見つかりやすい
30代になると、婦人科系の不調が出やすくなるといわれています。
不妊につながる婦人科系疾患が多いので、妊活を考えている方は、まず検診を受けることをオススメします。
30代の女性の多い婦人科系疾患
- 月経不順
- 月経困難症
- 月経前症候群(PMS)
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫
- 子宮頸がん
- 卵巣嚢腫
婦人科系疾患には疲れやストレスによるホルモンバランスの乱れが影響していることが多いようです。
自分自身のケアを後回しにせず、普段から身体と心を大切にして妊娠しやすい身体作りをしていきましょう。
35歳を超えると流産率がアップする
もうひとつ知っておきたいのが、30歳を超えた妊娠にともなうリスクについてです。
なかでも赤ちゃんを待つカップルが、もっとも避けたいのが流産ではないでしょうか。
せっかく妊娠しても流産をしてしまうケースは少なくありません。
妊婦さんの約15%が流産を経験しており、年齢を重ねるごとに確率が高くなると言われています。
残念ながら流産は誰にでも起こりうることなのです。
日本産婦人科学会の発表によると、35歳を超えると流産率は急激に上昇。
20~30代前半は10%程度なのに対し、35~39歳では約20%、40歳以上では40%以上と高くなっています。
年齢が高くなると胎児の染色体異常が増加することが一因とされており、避けられないことなのかもしれません。
流産リスクを減らす予防策
流産は偶発的なものではありますが、予防するために、自分でできることはあります。
胎児の染色体異常の発生を抑えるために、必要な栄養素をたくさん取ったり、規則正しい生活を心がけたり…。
ライフスタイルを改善するだけでも、流産の予防に効果があるといわれています。
また、病院で身体のチェックをしてもらうことも重要です。
子宮内膜症や子宮筋腫など、不妊にもつながる病気も早期に発見できれば、より早く治療ができ安心して妊活に備えられます。
少しでも健康な身体に赤ちゃんを迎えるため、できることから始めましょう!
流産リスクを減らす予防策
- 痩せすぎ、太り過ぎはNG
- 適度な運動やストレッチをする
- 規則正しい生活をする
- 必要な栄養素をとる
- 病院で身体のチェックをしてもらう
- ストレスをためないように工夫する
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妊活を始めるタイミングは?
では、いつから妊活を始めるべきなのでしょうか。
できれば「赤ちゃんが欲しい」と思ったらすぐに始めましょう。
そして、最初はご自身でタイミング法などを行い、結果が出なかったらクリニックの受診を検討してみてください。
妊娠率の低下を考慮して、妊活を始めてから半年から1年くらいを目安にするとよいでしょう。
「このくらい赤ちゃんができなかったら病院へ行ってみよう」と自分で期間を定めるのもひとつの方法。
不妊治療、とくにステップアップした際に行う人工授精や体外受精、顕微授精は年齢が若いほど効果的といわれています。
いずれにしても、早めの決断がポイントです。
病院へ行くメリット・デメリット
「病院を受診するのは不妊治療を始めるってこと?」と躊躇してしまい、受診するまでに時間がかかる方が多いようです。
しかし、婦人科系の病院を受診することにはさまざまなメリットがあります。
- 体内環境や健康状態を知ることができる
- 医師から妊活の知識を教えてもらえる
もちろん通院の時間を作らなければならないし、病院選びに悩むというデメリットもあります。
とはいえ、身体の内側のことは病院でしかわかりません。
大事なことなので、早めにチェックする必要もあるのです。
実際に不妊治療を始めるかどうかは、後で決めてもOK。
とりあえず病院を受診し、妊活の一歩を踏み出すのもよいかもしれません。
基礎的な検査で健康状態をチェック
病院によって若干違いはありますが、まずは妊娠に適しているか身体の状態をチェックすることがほとんどです。
内診
医師が指や器具を使って子宮や卵巣の状態を診察します。
エコー(超音波)検査
膣の中から超音波を当てて、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫などの病気がないかを調べます。
血液検査
不妊の原因のひとつでもあるクラミジアなどの感染症にかかっていないか、健康状態などがわかります。
卵子の状態を調べる検査もありますので、お医者さんと相談をしながら方針を考えていきましょう。
基礎体温表を持参すると◎
婦人科系の病院を受診する際には、基礎体温表を持っていくとスムーズです。
生理周期の把握や排卵日の予測がしやすく、医師側も治療方針が立てやすくなります。
基礎体温表は妊活だけではなく、体調管理にも役立ちます。
スマホで管理できるアプリもたくさんありますので、30代に入ったら基礎体温表をつけ始めることがオススメです。
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今すぐ始めたい妊活に向けたカラダづくり
最近では赤ちゃん待ちをしている芸能人や一般の方たちがブログなどで妊活の経験を綴っています。
妊活は、家族や友人にもなかなか言えないもの。
それらを参考にしながら、少しでも若いうちに妊娠できるように妊娠しやすい身体づくりから始めましょう。
- 基礎体温表をつける
- 身体にいい食事をする
- 生活習慣の改善
- 体調管理(体を温める。痩せ過ぎ、太り過ぎはNG)
- 病院で体内環境をチェック
パートナーとたくさん話し合う
30代に入ってから妊活を考える女性が、知っておきたいこと、できることを考えてきました。
しかし、やはり重要なのが夫婦で一緒に妊活をしていくこと。
妊活に対する不安な気持ちや思っていることを溜め込まずにパートナーと共有して、ストレスを溜めないことが妊活のカギです。
「子どもができたらこんなことしたいね」などと将来の話をたくさんするのも、気持ちを前向きにしてくれるのでよいですね。
協力して妊活に取り組むことで、きっと夫婦の仲も深まるはず。
頑張りすぎずできることから始め、自分のペースで焦らず妊活をしていきましょう!