フーナーテストはどんな検査?結果が悪かったらどうしたらいいの?

勇気を出して不妊クリニックを受診したものの、はじめは耳なれない言葉が多く戸惑う方も多いのではないでしょうか。

「フーナーテスト」(ヒューナーテスト)は不妊治療をはじめるときに行う検査のひとつですが、どのような検査なのかわからない人もいるでしょう。

不妊の原因はひとつではなく、複数の要因が絡み合っている場合が多いです。

そのため不妊が疑われた場合、まずはさまざまな検査を行い、妊娠を妨げている原因を探ることから始まります。

今回は「フーナーテスト」がどんな検査なのかや、検査結果の捉え方などについてみていきましょう。

フーナーテストは不妊治療になぜ必要?検査の目的は?


フーナーテストは、「性交後検査」ともいわれます。

排卵期(検査前夜または当日朝)に性交渉を行い、その後12時間以内に女性が病院を受診し、子宮頚管から分泌される「頸管粘液を調べる検査」です。

フーナーテストは不妊治療の基礎検査のひとつ!

不妊が疑われる時には、まずは検査から始めます。

男性は「精液検査」、女性は下記の基本検査を行い、妊娠を妨げている原因を探っていきます。

基本検査 検査で調べる不妊原因
ホルモン検査 排卵の問題
超音波(エコー)検査 卵巣の問題、子宮の問題
卵管造影検査 卵管の問題、子宮の問題
フーナーテスト 子宮頸管の問題、精子の運動率
性感染症検査 クラミジアなどの感染症

ほかの不妊治療についてもあわせて知りたいかたは「【不妊治療について】治療の中身は?保険はきくの?」を参照ください。

参照:「赤ちゃんがほしいご夫婦のための不妊治療バイブル」不妊治療情報センター

フーナーテストの目的とは?

フーナーテストの目的は2つあります。

  1. 頸管粘液が適切な性状になっているか(抗精子抗体を持っていないか)
  2. 精子が子宮頚管や膣内で元気に動いているか

フーナーテストでは、精子が卵管まで到達するのを邪魔する要因がないか、調べているのです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

1:頸管粘液をチェック!

まず、頸管粘液についてです。

頸管粘液は、子宮頚管(子宮の入り口にあり、膣と子宮をつなげている部分)から分泌されるものです。

通常は少量で精子や細菌から子宮を守る働きをしていますが、排卵期が近づくと量が増え、精子が膣から子宮に移動しやすい性状に変わります。

ところが、下記のように粘液に異常があると、妊娠の妨げになってしまうことがあります。

  • 排卵期になっても適切な性状になっていない(感染症が原因の場合が多い)
  • 頸管粘液に精子が確認されず、排卵期になっても精子の侵入を防御しつづける「抗精子抗体」を持っている可能性がある

参照:MSDマニュアル家庭版「頸管粘液の異常」

精子の状態もみておきましょう

もうひとつの検査の目的は、精子の状態をみることです。

元気な精子がたくさんいる方が、妊娠につながる可能性が高いのは当然のこと。

膣内に射精した精子が、元気にきちんと子宮に向かって進めているかということは、妊娠に深く関係するため重要なポイントです。

フーナーテストでは、そのふたつについて調べていきます。

フーナーテストは排卵期!月経期にあわせて基礎検査を進めましょう

月経周期中はホルモンや卵胞、子宮内膜の状態が変化します。

そのため、各周期ごとに必要な検査をして、妊娠に向かって適切な変化をしているか診ていく必要があるのです。

そのなかで、フーナーテストは排卵期に行う検査となっています。

女性が行う基本検査のタイミングは、以下の通りです。

卵胞期 ホルモン検査・子宮卵管造影検査・超音波検査
排卵期 フーナーテスト・ホルモン検査・超音波検査
黄体期 ホルモン検査
いつでも 甲状腺機能検査・感染症検査・子宮頸がん検査 など

はじめて受診する場合、どの時期に行くべきか迷う方もいるかもしれませんが、月経周期に関係なくのいつでも受けられる検査があるので安心してください。

受診時には基礎体温表を準備していくと、排卵日の特定や検査の予定を立てやすくなるのでオススメです。

フーナーテストの手順や費用は?


排卵期に行うフーナーテストですが、実際にどのような手順で検査を進めればよいのか、とまどう人もいるでしょう。

また費用はどのくらい見積もればよいのでしょうか。

まずはどのように検査を行うのかみてきましょう。

フーナーテストの費用はどれくらい?

フーナーテストを行うのに、費用はどれくらいかかるのでしょうか?

フーナーテストに保険を適応してくれる病院が多く、1回1,000~2,000円程度と比較的受けやすい金額となっています。

自費の場合でも、1回5,000円程度で受けることができるようです。

ただしフーナーテストは複数回行うことが一般的なので、保険適用の場合でも負担が少なくありません。

受けられる助成金などについて、自治体に確認してみることをオススメします。

フーナーテストの手順を解説!

では、フーナーテストの具体的な検査方法をみていきましょう。

まず検査には、来院日の前夜もしくは当日の朝に性交渉をした状態で向かってください。

検査では、子宮頚管から分泌される「子宮頚管粘液」を採取します。

採取した頸管粘液を約400倍の顕微鏡で観察し、精子数や運動量を調べます。

検査にあたって気をつけること

  • 禁欲期間を2~7日設ける
  • 医師が指定した日(検査前夜または当日朝)に性交渉を行い、正確な時間を報告
  • 性交渉の際、潤滑剤は使用しない

病院によって気をつけることに違いがありますので、医師の指示にしたがって行いましょう。

性交渉は前夜がオススメ

検査へ行く前には性交渉を行わねばなりませんが、検査当日よりも前日の夜に行うことをオススメします。

フーナーテストは検査日に合わせて性交渉を行う必要があるため、「検査のための性交渉」となりがちです。

プレッシャーからお互いに気持ちが乗らないというカップルも少なくありません。

性交渉を行うタイミングとしては、時間が限られている朝よりも、ゆっくりと雰囲気を作っていける夜の方がよいですね。

フーナーテストの判断基準は?結果が悪かったらどうするの?


フーナーテストは不妊の原因を探るための検査なので、どうしても結果が気になるものです。

フーナーテストの結果はどのような基準にもとづくものなのか、また結果が悪い場合なにをすればよいのか、紹介します。

フーナーテストの判断基準

フーナーテストは、頸管粘液採取後15分程度で結果が出ます。

一般的に、下記を目安に判断されることが多いようですので参考にしてみてください。

運動精子の数 判定
15個以上 妊娠する可能性が高い
10~14個 妊娠は十分期待できる
5~9個 妊娠は期待できる
4個以下 不良 妊娠する可能性が低い

ただし、WHO(世界保健機関)によると、1個でも直進運動をしている精子がいれば「異常なし」とする見解もあります。

いずれにしても、フーナーテストは基礎検査のなかでは比較的昔ながらの方法で、判定は医師の判断によるところが大きい検査です。

今後の治療方針については、他の基本検査の結果と合わせて、病院の先生とよく話すことが大切です。

参照:日本産婦人科学会誌50巻2号「婦人科内分泌検査」

結果が悪かったらどうしたらいいの?

どの検査においても「良くない判定だったら、妊娠できないんじゃないか」と、結果を知るのが不安なものです。

しかし、結果が悪いからといって、必ずしも、それが不妊の原因であると決めることはできません。

たとえばフーナーテストでは、次のような理由でよくない結果が出ることがあります。

  • タイミングがずれている可能性がある
  • 精子の数は日によって10倍以上も差がある
  • 一人の女性でも月経周期によって差がある
  • 男性、女性ともに個人差がある

なかには、1回の月経周期で1~2日しか精子の頸管粘液通過性が良好にならない方もいます。

そのためフーナー検査1回では判断せず、複数回検査するのが一般的です。

その日の身体の状態にも左右されるため、「不良」と判定されたとしても、妊娠ができないというわけではないので心配しすぎる必要はありません。

ライフスタイルを整えたり、ストレスを溜めないように工夫したりと、できることをしながら次のタイミングに備えましょう。

「不良」が何度も出たらステップアップも

1、2回悪い結果が出たとしても、検査のタイミングがずれているだけかもしれません。

しかし複数回検査をして、すべての結果が「不良」だった場合、排卵障害や抗精子抗体、頸管粘液や精液不良などの可能性が高くなります。

その場合、受精するのが難しいと判断され、次のステップへ進む方が多いです。

一般的には基本検査と並行して、排卵と性交渉を合わせるタイミング法から始め、人工授精・体外受精・顕微授精へと負担の少ない治療からステップアップする方法をとる病院がほとんどです。

ただしフーナーテストには明確な判断基準がなく、先生の経験にもとづく判定ともいえます。

「最初の病院で何度も不良が出たのに、病院を変えたら結果がよくなった」という方もいるほどです。

よくない結果を知ると、「きちんと妊娠できるかな」と不安に感じるかもしれませんが、あきらめずに先生と相談しながら、自分にあった治療法を考えていきましょう。

参照:高度生殖医療研究処「ヒト精液検査と手技WHO・ラボマニュアル第5版翻訳」

フーナーテストについて正しく知り、不妊治療をスタートさせましょう

フーナーテストについて紹介しました。

フーナーテストは明確な基準がない検査なので、一度の検査結果で落ち込まず、複数回試すことがポイントです。

ほかにも不妊治療で行う検査は多いですが、病院と相談しながら不妊の原因を探していきましょう。

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