クラミジア感染症は妊婦に危険?かかったらどうすべき?

クラミジア感染症は自覚症状がないことも多く、感染していることに気がついてない女性もいるようです。

しかし妊娠している場合、感染していると赤ちゃんに影響を与える可能性があり、放ってはおけません。

ここでは、クラミジア感染症の原因や症状、治療法、赤ちゃんへの影響などについてまとめました。

クラミジア感染症とは?

クラミジア感染症は妊婦に危険?かかったらどうすべき?
クラミジア感染症は、性器クラミジア感染症と呼ばれることも多く、名前の通り、性交渉を媒体に感染する性感染症のひとつです。

性感染症は、淋病・膣トリコモナス・ヘルペスウイルス・B型肝炎などさまざまな病原菌があります。

これらの性感染症の中でもっとも感染者数が多いのがクラミジア感染症です。

男女ともに感染者が多く、性感染症の4割を占めるといわれています。

全国の分娩取扱施設を対象におこなったアンケート調査によると、妊娠におけるクラミジア感染症の割合は約12%。妊娠中の女性の9人に1人は、クラミジア感染症陽性という結果がでているのです。

参考:国立感染症研究所「性器クラミジア感染症とは」
参考:日本産婦人科医会「妊娠中の性感染症に関する実態調査」

原因と感染経路

クラミジア感染症の病原体は、クラミジア・トラコマチスという細菌で、おもに性行為による粘膜や分泌物との接触で、人から人へと感染します。

性行為による感染では、性器から性器への感染が多くみられますが、オーラルセックスなどで口の中に感染し、咽頭炎をおこすこともあるので注意が必要です。

菌に感染している分泌物が目に入り、目の粘膜に感染すると、トラコーマという結膜炎をおこすケースもまれにみられます。

菌に感染している部分の粘膜に接触すると感染しますが、お風呂場などでの間接感染や物を介した感染、空気感染はほとんどありません。
まれに性交渉以外で感染する可能性もあるため、感染経路の100%が性交渉とは言い切れませんが、専門家による研究では「感染経路の9割以上が性的接触」という調査結果が出ています。

参照:東京都感染症情報センター「性器クラミジア感染症」
参照:山の手クリニック「クラミジア」
参照:性感染症に関する特定感染症予防指針に基づく対策の推進に関する研究

クラミジア感染症の症状

クラミジア感染症の潜伏期間は、1〜3週間と言われています。

しかし男女ともに無症状のことが多く、感染に気がつかないまま、さらに感染を広げてしまうケースもあるのです。

女性が感染した場合の症状

感染した場合でも、女性の8割は症状がありません。

しかし、自覚症状がないからといって放っておくと、症状はどんどん悪化します。

女性が感染すると、子宮頸管炎から始まり、子宮内膜炎・卵管炎・子宮付属器炎・骨盤腹膜炎・肝周囲炎というように、気づかないうちに体の上部へと炎症が進む恐れがあるのです。

その結果、卵管閉鎖や卵管周囲の癒着がおこり、それが原因で不妊症や子宮外妊娠となるケースもみられます。

クラミジア感染症は、早期発見・早期治療が大切です。

自覚症状がある場合には、以下のような症状がみられます。

  • 生理痛に似た軽い痛み
  • 不正出血がある
  • 性交痛
  • 白っぽいオリモノがでる
  • 黄色いオリモノがでる
  • 性器の臭いがキツくなる

参考:東京都感染症情報センター「性器クラミジア感染症」
参考:山の手クリニック「クラミジア」
参照: 新宿さくらクリニック「男女別クラミジアの症状」

男性が感染した場合の症状

ほとんどの場合が性行為により感染するため、ママが感染している場合は、パパも感染している可能性が高くなります。

男性も女性同様に無症状の人が多いのですが、その割合は5〜6割です。

自覚症状がある場合は、以下のような症状が現れます。

  • 尿道炎の症状(排尿時の軽い痛み、尿道にむずがゆさを感じる)
  • 副睾丸の痛み

放置すると男性不妊の原因になることもあるので、気になる症状がある場合は、早めに医師の診察を受けましょう。

ママが無症状でも、パパに上記のような症状がみられた場合は、ママも感染しているかもしれません。

パートナーの片方に気になる症状がある場合は、ふたり一緒に早めに受診するとよいでしょう。

参考:東京都感染症情報センター「性器クラミジア感染症」
参考:山の手クリニック「クラミジア」

妊婦がかかった場合の赤ちゃんへの影響

妊娠中の女性がクラミジアに感染すると、どのようなリスクがあるのでしょうか?

妊婦がクラミジア感染症になると、陣痛誘発がおこり妊娠初期では流産、妊娠中期では早産の原因となることがあります。

また分娩時には、赤ちゃんに産道感染するリスクが高く、新生児が結膜炎や肺炎を起こすケースもあるのです。

生後5~12日後の新生児に、結膜の充血やひどい目やにがみられる場合は、クラミジア・トラコマチスに感染している可能性が高いでしょう。

クラミジア・トラコマチスによる肺炎が発症するのは生後1〜2ヶ月後です。

  • その場合、発熱はみられず、
  • 呼吸が頻繁になる
  • 息をするとゼーゼー、ヒューヒューという音がする
  • 咳とともに痰や喀血がみられる

などの症状が現れます。

このような母子感染を防ぐためにも、出産前にクラミジア感染症を完治させておくことが大切です。

参考:東京都感染症情報センター「性器クラミジア感染症」

検査方法と治療法

クラミジア感染症は妊婦に危険?かかったらどうすべき?
感染しても、無症状であることの多いクラミジア感染症ですが、妊婦が感染していると胎児への影響が心配です。

妊娠したら、赤ちゃんの健康のためにも、クラミジア感染症の検査をおこいましょう。

厚生労働省が発表した妊婦健診の実施についての「望ましい基準」のなかでも、クラミジア感染症の検査を妊娠30週ころまでに1回実施するように書かれています。

これを受けて現在では、多くの地方自治体で、妊婦健診の検査項目としてクラミジア感染症の検査が実施されているのです。

参考:厚生労働省「妊婦健康診査の実施について」

検査方法

クラミジア抗原が分泌物内に存在しているかどうかで、感染しているかどうかをチェックします。

検査の方法には何種類かあり、即日に検査結果が出るもの、結果が出るのに数日かかるものがあり、検査を実施する病院の設備によっても方法は変わるでしょう。

男性の場合は採尿検査、女性の場合は、腟分泌物(自己採取可能)を検査します。

検査結果が陽性(感染している)の場合は、治療が必要です。

参考:山の手クリニック「クラミジア」

治療法

クラミジア感染症は、抗生物質抗菌剤を服用する治療法が取られます。

抗菌剤の服用期間はは1日のみのものや7日間継続して服用が必要なものなどがあり、薬の種類も症状によって変わるでしょう。

産婦人科では、ママの状態や感染の程度を考慮した上で、胎児に影響のない抗菌剤を処方します。

薬の服用後、抗原検査を行い、クラミジア抗原が消失したかを確認して完治とされるのです。

参考:東京都感染症情報センター「性器クラミジア感染症」
参考:山の手クリニック「クラミジア」

パートナーの治療も必要

クラミジア感染症は、夫婦やパートナーの治療も同時におこなわなければ、片方が治っても、もう片方から再び感染する可能性が高い病気です。

治療中の性行為も、当然ながら控える必要があります。

パートナーが同時にペア受診して、治療をするのが理想的です。

予防方法

クラミジア感染症には、予防接種がありません。
一度感染した後でも免疫がつかないため、再度感染する可能性があります。

クラミジア感染症は100%が性交渉で感染するとは限りませんが、感染しないための確実な方法は、感染者と性交渉をしないことです。
性交渉をする場合には、オーラルセックスを含むすべての性的接触時には、最初からコンドームを使用することで感染を予防できるでしょう。

赤ちゃんのためにも早期発見・早期治療を!

クラミジア感染症は妊婦に危険?かかったらどうすべき?
クラミジア感染症は、抗菌薬の服用で完治できます。

感染したまま放置しておくと、分娩時に赤ちゃんに感染するリスクが高いため、その前に完治させておきましょう。

最近は、妊婦健診でクラミジア感染症の検査がおこなわれるようになり、早期発見が可能になりました。

感染感染がが確認されたら、しっかり治して出産にのぞみましょう。

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