カンガルーケアとは?メリットとデメリット、危険性は?

これから出産を控えているママのなかには、「こんなお産にしたい」というバースプランを考えている人も多いのではないでしょうか?

多くのママたちから注目されているバースプランのひとつに、カンガルーケアがあります。

この記事では、カンガルーケアについて紹介しています。

カンガルーケアの効果や危険性について、妊娠中からしっかりとチェックしておきましょう。

カンガルーケアとは?

カンガルーケアとは、分娩後の赤ちゃんを、すぐにママの胸の上で抱くケア方法です。

1979年、当時経済危機にあったコロンビアで、保育器不足の回避を目的としておこなわれたのが始まりといわれています。

現代の日本で保育器が不足しているということはあまりありませんが、ほかにもさまざまな効果があることから、多くの先輩ママたちがカンガルーケアを選択しているのです。

どんな効果があるの?

まずはカンガルーケアにどのような効果があるのかをみていきましょう。

保温効果

赤ちゃんとママの肌が直接触れることで、赤ちゃんの体温を一定に保ち、呼吸も安定させる効果があります。

医療設備が充実している日本では、保温効果の恩恵を感じられることは少ないですが、発展途上国では、カンガルーケアによる体温管理が赤ちゃんの命を守ることにつながるケースも多くあるのです。

参照:第50回記者懇談会「出生直後におこなうカンガルーケアについて」

母乳育児の促進

カンガルーケアをおこない、産後すぐにママのおっぱいを赤ちゃんに吸わせることで、母乳分泌を促進する効果が期待できます。

半年以上母乳を飲ませていたという人の割合も、以下の通りです。

  • カンガルーケアあり:82.1%
  • カンガルーケアなし:68.2%

参照:看護研究報告「分娩直後にカンガルーケアをとり入れて」

スキンシップを通して愛情を確認できる

早産児や病的新生児の場合、生まれてすぐに保育器に入り治療をおこなうため、パパやママは喪失感や分離感を抱くことがあります。

またNICUで治療を受けた低出生体重児が虐待を受けるリスクが高くなるという調査結果もあるのです。

カンガルーケアでコミュニケーションをとることで、赤ちゃんとの愛情形成に繋がり、虐待のリスクを減らす効果も期待できます。

参照:第50回記者懇談会「出生直後におこなうカンガルーケアについて」

カンガルーケアの危険性

これから育児をはじめるママにとって、カンガルーケアは魅力的なメリットがたくさんあります。

名前の響きから、安全で自然な処置なのだと勘違いする人も多いようです。

しかしカンガルーケアが原因で、悲しい事件も起きています。

日本周産期・新生児医学会ではカンガルーケアを「早期母子接触」と呼び方を変えるという案をまとめました。

カンガルーケアは、赤ちゃんの体調変化に細心の注意が必要な医療行為だと印象づけたいという狙いもあるでしょう。

カンガルーケアをおこなうのであれば、その危険性を知る必要があります。

具体的にどのような危険性があるのかみていきましょう。

参照:日本周産期・新生児医学会「『早期母子接触』実施の留意点」

赤ちゃんが呼吸できない危険性

カンガルーケアは、赤ちゃんがママの胸のうえでうつぶせになります。

その状態で授乳をおこなった場合、鼻と口がふさがれ呼吸ができず、赤ちゃんが酸素不足になるという危険があります。

長時間酸素が不足すると、脳に障害が残ったり、場合によっては心臓が停止する可能性もあるのです。

転落の危険性

分娩台でそのままカンガルーケアをおこなう場合は、赤ちゃんが転落する危険性もあるでしょう。

とくに産後のママは、疲れから注意力が散漫になっているので、気をつける必要があります。

分娩室が赤ちゃんには寒いこともある

大人にはちょうどよい室温でも、生まれたばかりの赤ちゃんには寒いことがあります。

カンガルーケアは生まれてすぐ裸でおこなうために、分娩室の室温が低いことが原因で、赤ちゃんが低体温症になる可能性もあるのです。

低体温症になると低血糖症を招き、赤ちゃんの成長に必要な栄養が足りず、発達障害につながる原因となります。

「ママの体温で赤ちゃんの体温調節ができるので問題ない」という考えもあるようですが、医師の間でも意見がわかれているので、リスクのひとつとして考えておきましょう。

参照:厚生労働省「早期新生児期における早期母子接触及び栄養管理の状況」

カンガルーケア中は赤ちゃんから目を離さない

カンガルーケアの事故は、医療従事者が母子から目を離したすきに起こっていることがほとんどです。

呼吸や循環が未熟な赤ちゃんは、些細なことで体調が変化しやすいですが、カンガルーケアの最中にママが赤ちゃんの様子を観察するには限度があります。

カンガルーケアをおこなっている間は、医師や看護師が母子から目を離さないことが重要です。

参照:日本産婦人科医会「出生直後におこなうカンガルーケアについて」

カンガルーケアはどうやっておこなうの?

カンガルーケアは、生まれてすぐにおこなう場合と、保育器で治療をおこなっている早産児や病的新生児の容体安定期におこなう場合があります。

それぞれやり方に違いがあるので確認しておきましょう。

【出産後すぐにカンガルーケアをおこなう場合】

  • 赤ちゃんの臍帯を切断後、裸でママの胸の上にうつぶせで寝かせ2時間過ごす
  • 赤ちゃんがママの乳首を探すしぐさをしたら、授乳しはじめる。
  • ママの会陰縫合などの処置は、赤ちゃんを抱っこしたままおこなう。

参照:日農医誌「分娩直後にカンガルーケアをとり入れて」

【早産児・病的新生児にカンガルーケアをおこなう場合】

  • 赤ちゃんの容体が安定しているときに、保育器から移動する。
  • 椅子に腰かけたママと、素肌が触れ合うように抱っこする。

参照:日本赤十字社 葛飾赤十字病院「NICUでのカンガルーケア~母と子の絆を育む大切な時間~」

病院によっては、臍帯を切らずにおこなったり、赤ちゃんの様子によってカンガルーケアの時間が短くなることもあります。

事前に医師の説明を受け、十分に納得したうえでおこないましょう

パパもカンガルーケアができる?

カンガルーケアというと、ママと赤ちゃんがおこなうものというイメージが強いですが、パパと赤ちゃんでもおこなえるのです。

おなかの中で赤ちゃんを守り育てる母親に比べると、男性は親になる実感を抱きにくいとも言われますが、カンガルーケアをおこなうことで、育児への自信につながるケースもあるようです。

パパのカンガルーケアは、ママのカンガルーケア後におこないますが、すでに紹介した通り赤ちゃんへのリスクがあることなので、医師や看護師の指導のもと適切におこなうようにしましょう。

参照:日本農村医学会学術総会抄録集「カンガルーケアが及ぼす父親の対児感情の変化」

カンガルーケアは赤ちゃんの安全性を第一に考えて

カンガルーケアは、母乳育児や赤ちゃんとのスキンシップに高い効果を期待できます。

しかし知識不足のために、赤ちゃんの命に危険が及ぶ悲しい事故が起きていることも事実です。

産院で医師の指導にしたがうのはもちろん、パパやママも事前に正しい知識を得たうえでおこなうことが大切ですね。

これから始まる育児がスムーズになるように、安全性に配慮した正しい方法でカンガルーケアをおこないましょう。


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