横浜市・林文子市長インタビュー!女性が活躍できる街づくりとは?【後編】

いち早く「保育所待機児童ゼロ」を実現させた横浜市の林文子市長のインタビューの後編をお届けします。

子育て世代から支持される街には、どんな施策や環境が整っているのでしょうか?

また、現在お住まいの方々かはらどんな声があがっているのでしょうか?

引きつづき、さまざまな施策についてお聞きしていきます!

「地域子育て支援拠点」を18区全てに整備

ーーこの10年間の中で、待機児童対策や女性活躍支援の取組が、全国に広がったと思いますが、市長から見てどのように変わったと感じていらっしゃいますか。

横浜市では、待機児童ゼロ達成後も保育所を利用する子どもの数が毎年3,000人規模で増加しています。

そうした中で、現場の職員とともに創意工夫を重ねて、引き続き民間の皆様にご協力いただきながら、待機児童ゼロに近い状況を維持してきました。

あわせて、保育士の方の処遇改善や宿舎借り上げの支援、園内研修の充実など、質の向上や人材確保にも力を入れています。

こうした待機児童対策や女性活躍支援の取組によって、働くことを諦めていた女性たちが意識を変えて、一歩踏み出してくれたことは、本当に嬉しいですね。

30代後半の女性の労働力率は5年間で6.6ポイント上昇し、いわゆる「M字カーブ」も着実に改善しています。

引き続き横浜市が一丸となって「チーム横浜」で、待機児童ゼロへの挑戦を続けていきます。

ーー待機児童対策に加えて、さまざまな子育て支援施策に取り組んでいらっしゃいますね。

「社会全体で子育てを支えたい」という思いで、在宅で子育てされているご家庭への支援にも力を入れています。

私が幼い頃、子どもたちは地域の方々に見守られながら育ちました。

しかし、地域での人のつながりが希薄になった今、我が子を慈しみながらも、孤独や不安、悩みを抱えて、子育てをされている方も多くいらっしゃいます。

そこで、横浜市では、身近な地域で子育て世代の方々が気軽に集い、相談できる居場所として「地域子育て支援拠点」を18区全てに整備し、特に乳幼児の多い区にはサテライトの整備も進めています。

ここでは、親子で遊んだり、他の親子との交流ができるだけでなく、「横浜子育てパートナー」と呼ばれる専任のスタッフが、子育て家庭のさまざまな悩みごとの相談に応じ、適切な情報をご提供したり、支援機関をご紹介したりしています。

子育てには悩みや不安がつきものですが、ひとりで抱え込まずに、ぜひこうした場をご利用いただきたいですね。

横浜で子育てできて良かった!

ーー子育ての不安や悩みに寄り添ってくれる取り組みは、横浜の子育て世代にとって心強いと思います。

今年実施した小学校に入学する前のお子さんを持つご家庭へのアンケート調査では、約85%の方が子どもを育てている現在の生活に概ね満足している、との結果が出ています。

区役所の窓口や地域子育て支援拠点の利用者の皆様からも、「横浜で子育てできて良かった」、「身近な場所で相談ができて心強い」との嬉しいお言葉をいただいています。

一方で、保育所に入れるか不安だという声や、子育てにかかる経済的な負担、サービスのわかりづらさなどについてのご意見もうかがっています。

また、少子化や核家族化など、子どもを取り巻く環境は時代とともに変化していて、初めての子どもが生まれる前に赤ちゃんの世話をしたことがない方は約74%というアンケート結果もあり、4人のうち3人という状況です。

子育てに対する不安や負担を感じるご家庭が増えており、特に妊娠中から出産して半年くらいまでの間はその傾向が顕著で、産後うつになってしまう方も少なからずいらっしゃいます。

そのため、横浜市では、産後うつへの新たな対策として、29年度から産後の方への健康診査事業(産婦健康診査事業)をスタートさせました。

お母さんの「こころの健康アンケート」を実施し、身体の健康とともに心の健康についても確認させていただいています。

また現在、6つのモデル区に保健師などの専門職による「母子保健コーディネーター」を配置して、区役所の窓口で母子健康手帳をお渡しする際に面接を行い、その後もお一人おひとりの状況に合わせて、さまざまな相談に応じたり、家庭訪問をするなど、妊娠期から丁寧に寄り添ったご支援をしています。

ーー最後に、これから妊娠・出産を迎える皆様、現在子育て中の皆様へのメッセージをお願いします。

子育ては、わが子の成長を実感できる本当に素晴らしい経験です。

思い通りにいかないことや不安なことも多いと思いますが、それを超える大きな喜びがあると思います。

そして、何よりも、子どもは地域の宝、未来を創る力です。子どもたちが生き生きと成長する姿を見守るのは、地域の皆さんにとっての喜びにもつながると思います。

いつの時代も、子どもは多くの人との関わりの中で、色々なことを感じ、考えて、成長していくものです。ご家族、ご友人や地域の皆様とご一緒に、子育てを楽しんでいただきたいと思います。

地域で誰もが安心して妊娠・出産を迎え、子育てができるよう、これからも全力で取り組んでいきます。

プロフィール
林 文子(横浜市長)

東洋レーヨン(株)(現東レ)、1977年ホンダの販売店に入社。BMW東京(株)代表取締役社長、(株)ダイエー 代表取締役会長、日産自動車株式会社 執行役員等を歴任。
ウォールストリートジャーナル紙「注目すべき世界の女性経営者50人」(2004年)、米フォーブス誌「世界のパワフルウーマン100」(05、06年)、在日米国商工会議所(ACCJ)「パーソン・オブ・ザ・イヤー」(14年)等に選ばれる。
2009年8月、横浜市長に就任、2017年8月より3期目。
現在、指定都市市長会会長、内閣府・男女共同参画会議議員を務める。

ブログ:https://www.hayashifumiko.com/

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