乳歯は虫歯になりやすい!原因・症状をカンタン解説!治療・予防法も

乳歯が生えはじめたら虫歯にならないように、歯のお手入れには力を入れたいものです。

「乳歯は生え変わるから虫歯になっても大丈夫」と安心してはいけません。

大人になっても丈夫な歯を保つためには、乳歯のときからしっかりとケアをすることが大切です。

仕上げ磨きをしていたら、

「歯に白い斑点がある」
「奥歯の溝が黄色くなってる」

などと、乳歯の色の変化に気付いたママもいるのではないでしょうか。

この記事では、乳歯が虫歯になったときの症状や原因、治療や予防方法を紹介します。

うちの子は虫歯?乳歯の虫歯にはどんな症状がある?

乳歯は虫歯になりやすい!原因・症状をカンタン解説!治療・予防法も

歯は、エナメル質象牙質の層でできています。

乳歯は、永久歯とくらべるとエナメル質が弱いため、手入れをしないとすぐ虫歯になる可能性があるのです。

乳歯が虫歯になると、どのような段階を経て進行していくのかわかりやすく説明します。

虫歯の程度は5段階に分かれる

虫歯が進行していく過程は、C0〜C4の5段階に分かれています。

虫歯のはじまりや、段階的な治療法をみていきましょう。

C0:虫歯のはじまり

C0は虫歯の初期段階です。

見た目にはわかりにくいですが、歯がだんだんと溶け出している状態で、歯の透明感がなくなります。

素人には判断しにくいため、定期的に歯医者でアドバイスを受けると、早く発見できるかもしれません。

治療方法
治療の必要はありませんが、虫歯の初期症状のため、しっかり手入れをして経過観察が必要です。

参照:山本歯科医院「子供の歯・乳歯の虫歯と治療法

C1:エナメル質が溶けはじめている

C1は、エナメル質が溶けはじめている状態です。

浅い虫歯のため痛みはほとんどありませんが、虫歯の部分が白っぽくなったり、黄色っぽくなる場合があります。

仕上げ磨きをしていて、白色や黄色っぽい部分を発見したら、歯医者で診てもらいましょう。

治療方法
虫歯の部分をドリルで除去して、治療部分に詰めふたをする、簡単な方法で治療できます。

参照:山本歯科医院「子供の歯・乳歯の虫歯と治療法

C2:象牙質まで到達している

C2は、虫歯が象牙質まで到達している状態です。

象牙質はエナメル質よりやわらかいため、虫歯も早く進行します。

歯に穴が空くため、虫歯部分が茶や黒っぽい色に変化します。また、痛みがあらわれはじめ、冷たいものがしみるのが特徴です。

見た目でわからなくても、冷たいものを嫌がるようであれば、一度歯科医に意見を聞いてみましょう。

治療方法
治療方法はC1と同じですが、虫歯が大きいものは、型をとって金属の詰め物を入れます。

参照:山本歯科医院「子供の歯・乳歯の虫歯と治療法

C3:神経まで到達している

C3は、神経まで虫歯が到達している状態です。

冷たいものがしみるだけではなく、熱いものにも痛みを感じます。

痛みの持続時間も長くなり、ズキズキと痛むようになるでしょう。

この状態で虫歯を放置すると、歯の根元にある神経が炎症を起こし、炎症がつづくと神経が死にます。

神経が死ぬと一時的に痛みは無くなりますが、神経の根っこが菌に感染します。
この感染を放置しておくと、激しい痛みとともに歯茎が腫れたり、膿(うみ)が出たりします。

すぐに治療をしないと痛みが続くため、早急に歯医者を受診しましょう。

治療方法
根管治療という、歯の根の治療が必要です。
歯髄が死ぬと歯がもろくなるため、歯全体に被せものを装着しなくてはなりません。

レントゲンで確認して、根の状態が悪いと、麻酔をして抜歯をすることもあります。

参照:山本歯科医院「子供の歯・乳歯の虫歯と治療法

C4:神経をつたい根の先まで到達している

C4は、神経を通って根の先まで虫歯が到達している状態です。

ズキンズキンと継続した痛みや、転げまわるほどの痛みは、歯髄にまで虫歯が到達している可能性があります。

根だけが残った状態になり、歯の部分がない状態のため、見た目でもすぐにわかるでしょう。

治療方法
根の治療をして歯が残って入れば被せものをしますが、根の状態が悪い場合は、抜歯をする可能性があります。

参照:山本歯科医院「子供の歯・乳歯の虫歯と治療法

乳歯は虫歯になりやすい!

乳歯は虫歯になりやすい!原因・症状をカンタン解説!治療・予防法も

乳歯は虫歯になりやすく、一度虫歯になると進行が早いのが特徴です。

乳歯は汚れがたまりやすい形

乳歯は汚れがたまりやすい形になっています。

とくに、乳歯の奥歯は溝が細かく、食べカスが残りやすいです。

乳歯はエナメル質が永久歯より薄く、表面も荒いため、食べカスがたまるとすぐ虫歯になってしまいます。

そのため歯磨きを習慣づけて、毎日しっかりと仕上げ磨きをすることが大切です。

乳歯は虫歯の進行がはやい

乳歯は、永久歯と比べて虫歯の進行が早いです。

  • 神経の割合が大きい
  • エナメル質・象牙質ともに永久歯より薄い
  • 歯がやわらかい

上のような特徴があるため、一度歯が溶けはじめると、どんどん虫歯が進行し、早い段階で神経にまで到達してしまうのです。

子どもが痛みを訴えたときには、すでに虫歯が進行している可能性があるため、早めに歯医者を受診しましょう。

乳歯は虫歯の自覚症状がわかりにくい

乳歯の虫歯には、自覚症状がわかりにくいという特徴があります。

とくに初期段階では、痛みの自覚症状もなく、見た目だけで虫歯と判断するのは難しいでしょう。

冷たいもので痛みが出たり、食べ物が歯の隙間に挟まる場合は、虫歯がかなり進行している可能性があります。

子どもが痛がっていないからといって放置せず、気になることがあれば、すぐに歯医者で診てもらいましょう。

乳歯の虫歯は永久歯に影響するの?

乳歯は虫歯になりやすい!原因・症状をカンタン解説!治療・予防法も

乳歯は生え変わるからといって、手入れをおろそかにしてはいけません。

では治療をしたのに、正常に生え変わらないことはあるのでしょうか。

治療をしても正常に生え変わらない可能性がある?

乳歯の虫歯を治療しても、永久歯へ正常に生え変わらない可能性があります。

軽度の虫歯であれば、しっかりと治療をすれば、問題なく永久歯に生え変わるでしょう。

しかし、虫歯が神経まで進行すると、下に控えている永久歯が変形して生えてくる可能性があるため、注意が必要です。

乳歯の虫歯を放置すると、口の中の虫歯菌は増えていきます。

口の中の虫歯菌が増えると、新しく生えてくる永久歯にも悪影響のため、乳歯のうちからしっかり虫歯予防を心がけましょう。

乳歯の虫歯が永久歯に与えるリスクとは

乳歯の虫歯は、永久歯にどのようなリスクを与えるのでしょうか。

1:虫歯になりやすくなる

乳歯の虫歯を放置すると、永久歯も虫歯になりやすくなります。

生えたばかりの永久歯は、まだやわらかく、虫歯になりやすい状態です。

大切な永久歯を守るためにも、乳歯の虫歯は早めに治療し、口内環境をよい状態にすることが大切です。

2:歯並びが悪くなる

乳歯の虫歯は、永久歯の歯並びに悪影響を与える可能性があります。

永久歯に生え変わるよりずっと前に、虫歯によって乳歯が失われると、左右の歯が空いたスペースに寄ってきます。

両隣の歯で、永久歯の生える場所がふさがれると、永久歯が本来生えるべきところからずれた位置に生えてくる可能性があるのです。

永久歯のキレイな歯並びを保つために、乳歯はスペースを確保する役割をはたしています。
そのため、早い時期に虫歯で乳歯を失うことがないよう、しっかりとケアしましょう。

3:曲がって生えてくるケースも

乳歯が虫歯になると、その影響で永久歯が曲がって生えてくる場合があります。

神経の根先まで到達した虫歯を放置すると、根が菌に感染し、膿(うみ)の袋ができます。

そのすぐ下にある永久歯は、膿(うみ)の袋を回避するため、歯の向きが変わり、曲がって生えることがあるのです。

将来の歯並びのためにも、早めに虫歯の進行止めを意識して、定期検診を心がけましょう。

4:発育不全(ターナー歯)になる恐れ

乳歯が虫歯になると、永久歯は「ターナー歯」と呼ばれる、発育不全な状態になる恐れがあります。

乳歯の虫歯で根の先が感染すると、菌の影響によって、下に控えた永久歯の発育が遅れることがあるのです。

発育不全の永久歯は、エナメル質がきちんと形成されないため、

  • 白や黄褐色の斑点
  • わずかなへこみ

が歯の表面に現れます。

永久歯に生え変わるからといって、乳歯の虫歯を放置しないようにしましょう。

乳歯の虫歯を発見した場合は、早めに治療をおこなうことが大切です。

そもそも虫歯になる原因とは?

乳歯は虫歯になりやすい!原因・症状をカンタン解説!治療・予防法も

虫歯の原因は、以下の4つが合わさることで引き起こされます。

歯質 虫歯になりやすい歯質かどうかは個人差がある
糖質(砂糖) 糖質を含むお菓子や甘いジュース類は、口内が虫歯になりやすい環境を作る
ミュータンス菌 糖質はミュータンス菌が酸を作るための材料。酸によって歯のカルシウムやリンを溶かして歯を弱くする
時間の経過 歯の質、砂糖、ミュータンス菌の3つの要素が重なると、時間の経過とともに虫歯になる

上記4つのどれかを防ぐことで、虫歯を予防することが可能です。

ミュータンス菌を減らすためには、食生活を見直す必要があるでしょう。

参照:三宅歯科クリニック自由が丘「 虫歯の治療

乳歯の虫歯を防ぐ6つの方法

乳歯は虫歯になりやすい!原因・症状をカンタン解説!治療・予防法も

乳歯の虫歯を防ぐためには、どんなことをすればよいのでしょうか。

ここでは、乳歯の虫歯を防ぐための、6つの方法を紹介します。

1:歯医者で予防する

乳歯の虫歯は、定期的に歯医者で予防しましょう。

乳歯は虫歯の自覚症状がわかりづらく、痛みが出ないこともあるので、気付かないうちに進行する可能性があります。

初期段階では見た目だけではわからないこともあるため、3〜4ヶ月に一度は定期検診に行くとよいでしょう。

フッ素の塗布

歯医者さんで行ってもらう虫歯予防のひとつに、フッ素の塗布があります。

フッ素は歯の質を強くしたり、虫歯菌の活動を抑える働きがある成分です。

歯の質が弱い乳歯は、歯の表面からフッ素を取り込みやすいため、フッ素の塗布が虫歯予防に有効とされています。

また、フッ素は初期虫歯の改善にも効果的です。

フッ素や唾液に含まれるミネラルは、歯に取り込まれることで、歯の再石灰化を促進し、溶け出した歯を健康な状態に戻すはたらきがあります。

そのため、自宅で虫歯ケアをするときは、フッ素が含まれた市販の歯磨きジェルを使うことをオススメします。

ただし、永久歯が生えそろう15歳ごろまでは、歯が弱い状態がつづくため、自宅でのケアだけでは不十分です。
小学生のあいだは、年に数回、歯医者でフッ素を塗布してもらうとよいでしょう。

参照:熊本歯科医師会「フッ素はホントにむし歯に効くの?
参照:松本協立病院「健康手帳(歯科センター)-歯はいつ頃できるの?

シーラント

歯医者では、フッ素塗布のほかに、シーラントと呼ばれる処置で虫歯を予防することができます。

シーラントとは、虫歯になりやすい奥歯の溝を、接着力のあるプラスチックで埋める処置のことです。

とくに奥歯の6歳臼歯は溝が細かく虫歯になりやすいため、シーラントを埋めて虫歯予防をおこないましょう。

【6歳臼歯とは】6歳臼歯は、その名のとおり5~6歳ごろに生えてくる、初めての永久歯。
乳歯の奥にひっそりと生えてくるので、気づきにくい歯

参照:日本大学歯学部付属歯科病院小児歯科「むし歯の予防

2:仕上げ磨きをする

虫歯を予防するためには、仕上げ磨きをすることも大切です。

まだ小さいうちは、細かい部分や裏側まで自分でキレイに磨くことができません。

永久歯でも、生えたばかりの歯はまだ弱いため、汚れがつきやすく虫歯にもなりやすいのです。

定期的に歯科検診にいっている場合でも、8歳ごろまではしっかりママやパパが仕上げ磨きをおこないましょう。

参照:日本大学歯学部付属歯科病院小児歯科「歯みがき|むし歯の予防

仕上げ磨きのコツ

仕上げ磨きのコツは、つぎの3つです。

乳歯は虫歯になりやすい!原因・症状をカンタン解説!治療・予防法も
  1. 歯ブラシはペンの持ち方でもつ
  2. 歯に対して直角でブラシを当てる
  3. 軽い力で小刻みに動かし、1〜2本ずつ磨く

ペンの持ち方でもつと、ムダな力が入らないため、毛先を細かく動かせます。

歯ブラシの先が寝ないように気をつけて、少しずつずらしながら、歯に対して直角にブラシを当てます。

子どもが痛みを感じると仕上げ磨きをイヤがる可能性があるため、力加減には気をつけましょう。

寝かせみがきのポイント

子どもをひざの上に寝かせて、あごを空いた手で押さえながら磨きます。

  • 前歯を磨くとき
乳歯は虫歯になりやすい!原因・症状をカンタン解説!治療・予防法も

上唇や、下唇の筋に歯ブラシが当たらないように、人差し指でガードしましょう。

  • 奥歯を磨くとき
乳歯は虫歯になりやすい!原因・症状をカンタン解説!治療・予防法も

人差し指で頬を膨らませると磨きやすくなります。

立たせみがきのポイント

子どもを前に立たせて、後ろから口の中を覗き込むように磨きます。

磨き残しに注意したい部分

下記の部分は磨き残しが多いため注意しましょう。

乳歯は虫歯になりやすい!原因・症状をカンタン解説!治療・予防法も
上の前歯の歯と歯の間 歯と歯の間もしっかり毛先を入れて磨く
上下の前歯と歯茎の間 毛先が歯と歯茎の境目に届くように磨く
奥歯の歯と歯の間 歯ブラシが届きにくいため汚れがたまりやすい。頬を緩めると、歯ブラシが奥まで届きやすい
奥歯の噛み合わせ部分 食べカスが残りやすく、唾液でも流れないため、丁寧なブラッシングが必要

歯と歯の間は、フロスを使うのも効果的です。

あと6歳臼歯は、奥にあるため家庭では磨きにくく、虫歯になりやすい歯でもあります。

前歯の汚ればかりが気になる人も多いですが、奥歯は子どもだけでは十分に磨けていない可能性があるため、しっかり仕上げ磨きをおこないましょう。

歯ブラシは1ヶ月ごとに交換

歯ブラシは、1ヶ月を目安に交換しましょう。

毛先が開いてから交換するのもいいですが、弾力が落ちたと感じたら、交換するのも一つの目安です。

弾力が落ちると、反発力が落ちて磨き残しが多くなるため、早めの交換を心がけるとよいでしょう。

3:規則正しい生活を心がける

虫歯を予防するには、規則正しい生活を心がけることが大切です。

飲食物を口にする時間が長かったり、だらだらと食事をすると、歯を溶かす酸が継続して作られるため虫歯の原因となります。

食事の時間や就寝時間が不規則だと、食べ物を口にする機会も増えます。

毎日決まった時間に食事やおやつを食べることで、虫歯予防になるでしょう。

参照:鹿児島大学医学部「こども救急箱43-幼児期の虫歯予防

4:よく噛んで食べる

よく噛んで食べることは、虫歯の予防につながります。

よく噛むと唾液がたくさん分泌されるため、口の中の食べカスを洗い流します。

唾液口の中の細菌を洗い流す働きもあり、細菌によって酸化したものを、中性に戻す力があるのです。

満腹感を得ることで食べ過ぎの予防にもなるため、よく噛んで食べることは、ムダな間食を減らすこともできるでしょう。

参照:日本大学松戸歯科部付属病院「歯はどうして痛くなる?:むし歯の成り立ちと予防

5:おやつは決められた時間に決まった量を

おやつは決まった時間に、決まった量を与えましょう。

砂糖の摂取時間が長いほど、虫歯のリスクが高まります。

アメやソフトキャンディは、長い時間口の中に留まるため、虫歯になる可能性が高くなります。

乳製品や果物を中心に、決まった量を与えるとよいでしょう。

6:水分補給はジュースではなくお茶・水で

水分補給はジュースではなく、お茶がオススメです。

スポーツドリンクやジュースは、糖分が多く含まれているため、ジュースで水分補給をすると口の中で酸が作られる状態が続きます。

どうしてもジュースを欲しがる場合は、糖分が含まれていない、野菜ジュースが安心です。

とくに食後は清涼飲料水ではなく、お茶や水を与えることを心がけましょう。

乳歯の虫歯は早めに治療することが大事

乳歯は虫歯になりやすい!原因・症状をカンタン解説!治療・予防法も

乳歯は虫歯になりやすいため、早めに治療をすることが大事です。

初期段階で発見できれば治療も早く終わるので、お子さんの負担も少なくすみます。

初期の虫歯は、見た目ではわからないため予防歯科を定期的に受診するのは親としての大事な責任ですね。

大人になっても健康な歯を維持するために、食事方法仕上げ磨きで強い歯を育てましょう。