ワンオペ育児を解消する「チーム育児」とは?NPO法人コヂカラ・ニッポンを取材!

「子どものチカラ(コヂカラ)で企業や地域の発展に貢献している」と注目を集めているのが、NPO法人コヂカラ・ニッポンです。

子どものチカラに注目しているNPO法人ですが、ワンオペ育児の解消にも注力されているようです。

今回は、NPO法人コヂカラ・ニッポンの理事をされている林田香織さんにお話をうかがいました。

ワンオペが増えている背景と問題点

NPO法人コヂカラ・ニッポン林田香織さん

編集部

今は共働きが増えることにともなうワンオペ育児が大きな社会問題になっています。
その背景や問題点については、どのようにお考えでしょうか?

共働きやワンオペには、さまざまな理由がありますが、大きく3つの要因があげられます。

  1. 家庭モデルの変化や教育費の変動
  2. 性別役割の変化
  3. 職場環境の変化

それぞれについて、詳しく説明しますね。

1:家庭モデルの変化、教育費の変動

お父さんが大黒柱であるという、昔ながらの家庭モデルが変化しつつあります。

編集部

確かにそうですね

雇用が不安定なこともあり、「お父さんが働いているから安心」とはいえなくなってきているんですね。

また、幼稚園や小学校受験などによる教育費の負担も大きくなってきているため、共働きでなければ経済的につらいという家庭が増えているようです。

2:性別役割の変化

手をつなぐ夫婦

以前は中学校と高校の技術・家庭科という教科は、技術が男子・家庭科は女子とわかれていました。

編集部

そうだったんですね…

1993年に中学校で、1994年に高校で男女共修となり、今は男子も女子も、家庭科を学んでいます。

そういった教育面の変化からもわかるように、社会においても家庭においても、性別による役割に対する意識が変わりつつあります。

「男は外ではたらく、女は家庭を守る」という考え方から、「男も女も仕事も家庭も」という考え方に変化したことも共働きが増えた要因のひとつでしょう。

編集部

確かに性別による「役割」は、昭和の時代より薄くなってきていますね

参照:文部科学省「我が国の教育経験について」

3:職場環境の変化

職場環境の変化も、共働きが増えた要因だといえます。

労働力が足ないという背景もあり、社会的にも女性の就業継続が期待されるようになりました。

それにともない、職場の両立支援制度が整い、子どもを出産しても仕事を継続できる環境が整備されたのも、共働きが増えたひとつの要因です。

編集部

林田さんご自身もバリバリ働いてらっしゃいますよね。

わたしは出産と夫の海外転勤を機に、8年くらい専業主婦をしていました。

アメリカで子育てをしてたのですが、日本に帰ってきたときがちょうどリーマンショックだったんですね。

夫がひとりで大黒柱を担う生活は、リスクもあるし厳しいということで、三男が1歳になる前でしたが、わたし自身も社会復帰を決めました。

マルオペ(チーム育児)が家族を救う

読み聞かせる保育士
職場環境が変化したと言っても、共働き夫婦が共に働き、共に家事育児を担うというのはなかなか難しいのが現状です。

編集部

たしかに、保育園のお迎えや家の用事でパパが仕事を休むということは少ないかもしれませんね。

男性が両立支援制度を利用するのが難しいため、日本では、女性は家事や育児に支障がでない範囲で働き、男性は主となって稼ぎながら可能な限り家事育児も行うというスタイルになってしまいます。

そのため、男性にも女性にも負担が増えているのです。

男性の家庭参画も重要ですが、それを実現できる職場環境が整っていないために、今度は男性の負担も増えてしまいます。

ですから、自分たちだけでやろうとせずに、周りを頼ることも大切だと考えています。

マルオペとは?

マルオペとは、マルチオペレーションの略で、ワンオペから脱却するために提案したシステムです。

ママだけ、または夫婦だけで育児をおこなうのではなく、「『チームわが家』として、周りと連携して子育てをしよう」と考えました。

  • おじいちゃんおばあちゃんによる家族内のサポート
  • パパ友やママ友、職場の人たちなどの家族外のサポート
  • ファミリーサポートなど、民間や行政のサービスを利用したサポート
  • 便利家電やアプリなど、時短アイテムを利用したサポート

このように多くのサポートを通して、ワンオペ育児からマルオペ育児へバージョンアップしていければと思っています。

どんな風に、マルオペできるチームを作ればいい?

編集部

人見知りでママ友ができなかったり、おじいちゃんやおばあちゃんが遠方に住んでいるためにマルオペのチームが作りにくいという人もいると思うのですが。

人づきあいが苦手な場合は、SNSで自分なりのコミュニティを作るというのもひとつの方法だと思います。

子育ての悩みを気軽に話せる環境があることは、とても大切です。

ただ親だけではなく、子どもに何か困ったことがあったときのために、子どもも顔見知りになって相談できるコミュニティも必要だと感じています。

周りに頼れる家族や知り合いがいないという場合は、地域のファミリーサポートや、シルバー人材などのサービスを利用してもいいと思います。

コヂカラニッポン林田
コヂカラ・ニッポン林田さん

保育園のお迎えで、同じ時間帯にお迎えに行っているママや、子どもがよく遊ぶ公園にいるママに話しかけたりすることから顔見知りになって、コミュニティが広がることもありますよ。

編集部

ちょっとしたことが、自分のコミュニティにつながるんですね。

実際にイベントなどに参加される方の声は?

編集部

コヂカラ・ニッポンではさまざまなイベントを行っているようですね。
地域のイベントに参加される方からは、どのような声をいただいているのかお聞かせいただけますか?

イベントに参加することで、知り合いが増える方が多いようですね。

コミュニティが広がることで、「子どものお迎えに間に合わないときに、ちょっとお願いできた」ということや、「自分の不安や悩みを相談できた」という声をいただいています。

「地元で飲み友達ができた」という方も、いらっしゃいますよ。

こうやって徐々に「チームわが家」ができていくのはうれしいですね。

マルオペ育児を広めるために

NPO法人コヂカラ・ニッポン林田香織さん

編集部

今後、よりマルオペの普及をしていくために、どのような活動をされていきますか?

今やっている研修活動やメディアで発信していくということももちろんですが、まずは皆さんに「人に頼る」ことから始めるようにすすめています。

頼ることで自分の強みと弱みを活かし合えることは、子どもの教育にとってもプラスになることだと思います。

子どもはただ守るべき存在ではなく、家族・地域の一員です。

子どもの力を信じ、子どもにも頼ることでが、家庭での子どものあり方を考えるきっかけになってくれればと思います。

【プロフィール】
林田香織(はやしだ・かおり)NPO法人コヂカラ・ニッポン理事、ワンダライフLLP代表などを務める男の子3人の母。8年の在米を経て2009年に独立。

  • 両立支援セミナー
  • 育休前・復帰前セミナー
  • 配偶者向けセミナー
  • 夫婦向けコミュニケーションセミナー
  • 女性の社会復帰セミナー

などをはじめとする、多くの企業や自治体に向けたセミナーの講師も努める。

自身の経験や実例を交えた講演は、男女問わず高い評価を得ている。

<Webサイト>
http://kodikara.org/

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