「イヤイヤ期」…このネーミングは、子ども本人の状態を実にうまく説明しています。
イヤイヤ期を迎える子どもを持つ家族は、朝から晩まで毎日とてもしんどい思いをしています。
何よりストレスを感じますし、ひどいときには育児ノイローゼになってしまうことも…。
そこで、中学生から年中児まで4人の子育てを経験をしたママが、イヤイヤ期の対処法を公開します!
目次
イヤイヤ期ってなんなの?どうしてあるの?

イヤイヤ期は、自我の発達の時期であり、自分の好みが出てくる時期ということでもあります。
自分がこうしてほしい、ああしてほしい、と自分の意見・感覚を自分自身が捕まえる練習をしているのです。
イヤイヤ期の対処法1:子どもの話を聞く

イヤイヤ期は子どもの「主張」。
なので、子どもをなだめるにはまずその主張に耳を傾ける必要があります。
子どもの「こうしたい」という思いを、視線が合うように座って、しっかりと聞いてあげましょう。
うまく言葉にできずイラだって、泣き止まない子どももいます。
しかし、子どもはいずれにせよ主張をしたがっている状態。
きちんと「私は聞いているよ」という姿勢を見せてあげることが大切です。
イヤイヤ期対処法2:子どもが口にした言葉をオウム返しする

一言でも口に出す単語があったら、それをマネして言ってみましょう。
例えば、「だって、りんご!」と泣きながらしゃべる子どもがいたら、全く意味はわからなくても「りんご」という単語をオウム返しにしてみましょう。
「うんうん。りんごだね」
という程度でOKです。
「え?りんご?それで?どうしてほしいの?」
切り込む必要はありません。
「○○だね」
と肯定してあげるのです。
子どもは自分の口から出た言葉を再度親に言ってもらうことによって「ああ!わかってもらえてるんだ!」と安心します。
怒って泣きわめいているうちに、子どもは自分自身を見失いがちです。
同じ言葉を重ね「安心」をあげる、これが最大の効果になります。
イヤイヤ期対処法3:注意をそらす

イヤイヤ期の子どもは、自分がなぜ泣いているのかわからなくなることがあります。
最初はこれをやってほしいという感情があったハズが、感情が爆発しコントロール不能になっているのです。
そんなときは、気分転換をさせ気をそらせるだけで泣き止むことがあります。
これは、パソコンでいうリセットボタンと同じ作用です。
具体的には…
「あ!」と叫ぶ。
「ああ!!スーパーマンが来た!」
袋をパンっとして音を出す。
「お兄ちゃん~ちょっと来て~」と呼びに行くフリをする。
子どもは親の行動に気がそれ、うまくすれば泣いていたことも忘れてしまいます。
さっきまで泣いていたのが嘘のように、今度は笑顔で飛び跳ねます。
イヤイヤ期対処法4:親の心の余裕を取り戻す

自我の発達の過程とは言え、イヤイヤ期の育児は通常の三倍の心労をもたらします。
ごはん、買い物、トイレ、風呂、寝かしつけ…子どものことは愛していても、肉体的な疲労や心労は別の話です。
親の不機嫌や余裕のなさを、子どもは敏感に感じ取ります。
子どもが寝ている間に没頭できる趣味や、悩みを打ちあけられる相手を見つけることはとても大切なことです。
周りにたよれる身内や友人がいたら一番ですが、頼りにできる人がいないお母さんも少なくありません。
居住している自治体の育児相談は無料ですし、予約不要のところもあります。
お住まいの自治体のホームページを確認してみてください。
こんなときどうする?【食事編】

ここからは、シーンごとのイヤイヤ対応方法をみていきたいと思います。
まずは食事編です。
イヤイヤ期のこんな困った行動には、次のように対処しましょう。
スプーンを投げる
原因1)まだうまくできないだけ(泣いて怒って主張している)
対処)ママが代わりにやってあげたり、一緒にやり方をマスターする
原因2)ママの気を引くための行動(笑いながら様子をうかがっている)
対処)なるべく関わらないで、その表現方法が間違っていることを教えてあげる
自分のごはんではなく、大人のものを食べたがる
原因)ママと同じことがしたい
対処)拒否せず、理由を説明したうえでそれができる時期を教え、代案を用意する
すぐにおやつを欲しがる
原因)ヒマで遊んでほしい
対処)受け止めて、遊びに誘う
もっと食べたいとドカ食いする
原因)幼いうちはお腹がいっぱいになった感覚がわからない
対処)「あと○回」と予告しながら食べさせ、自分の食べる量が決まっていることを覚えさせる。なくなって泣いたら遊びに気をそらせる。
えり好みして食べる
原因)食感、味、雰囲気が嫌い、楽しくない
対処)無理強いはしないが、楽しいことを作ったり味や触感を変えたりして何度でもトライする。同時にママは子どもが苦手なものを決めつけない。
まだお腹が空いているはずなのに満腹を訴える
原因1)ほかのことに興味がいっている
対処)あと○口食べたらおしまい、と回数できってあげる
原因2)不快な思いをしているため早く終わらせようとしている
対処)気持ちを受け止め、あと○回と回数を提案し、約束通りに食事を終わらせる。食事中はテレビやおもちゃなど気が散るものを遠ざけ、子どもの隣に座る。
食べ物で遊びだす
原因)成長過程の実験のひとつ
対処)食べ物の名前を教えてあげ、どうするものなのか伝えてあげる。遊びをやめなかったら食事を終わりにする。
食事中にじっとしていない
原因)好奇心が強く、食事に対して執着がない
対処)席を立ったら食事を終わらせる。戻ってきたら座らせてから食事を再開する。
笑いながらごはんをポイする
原因)ママの注意をひきたい
対処)このときばかりは怒る。
癇癪を起して食器を投げる
原因)自分の思い通りにいかなかったフラストレーション(スプーンをうまく使えなかった場合が多い)
対処)関わらないで放置し、子どもが泣き止んで何か言ってくるか、食べ始めるまで根気よく待つ。
こんなときどうする?【お風呂編】

今度はお風呂の話です。
お風呂を嫌がる。
原因1)お風呂の後が寝るタイミングだと知っている。大きな声でヤダと言ったり、おもちゃを離さない、ママの方を見ない場合に多い。
対処)お風呂のあとに遊んでもいいと言う、もしくはお風呂のあとに○○しようと誘う。
原因2)ママにかまってもらいたい。笑顔で逃げ回ったり、ふざけたようにヤダと言う場合に多い。
対処)少しの間遊んであげる。エスカレートするようなら構うのをやめ無視する。
こんなときどうする?【トイトレ(トイレトレーニング)編】

トイレトレーニングのイヤイヤ行動については、次の対処をしましょう。
トイレに行きたがらない
原因1)おしっこしたくないのにママがしつこく誘う
対処)何かをやり終わったり、違うものに気持ちが移ったような切れ目のタイミングをはかる
原因2)ママにかまってもらいたい、甘えたい
対処)子どもの要求を受け入れる
原因3)トイレ自体が怖い、トイレで恐怖体験をした
対処)おまるを利用したり、便座の左右に台をつける。照明、壁紙、便座カバーを明るめのものにする。
こんなときどうする?【夜泣き、寝かしつけ編】

次に夜の寝かしつけや夜泣きの対応についてです。
寝る時間になると眠くないと言い張る
原因1)もっとママといたい。働くママを持つ子どもに多い。
対処)寝る前までなるべく子供と一緒にいる。可能なら一緒に寝る。絵本の読み聞かせを入眠の儀式に使うのも有効。
原因2)まだ遊んでいたい。好奇心旺盛タイプの子どもに多い。
対処)計画的に遊べるよう、見通しを立てられるよう誘導する。どうしてもの場合は回数を決めて遊ばせるが、どんなに泣こうと規定回数で終わらせる。
原因3)本当に眠くないだけ。朝起きるのが遅い子どもに多い。
対処)30分早起きさせ、午前中に運動量の多い遊びをさせて早く昼寝させ、午後は頭を使う遊びをさせる
寝ぐずりがひどくギャン泣きする
原因)まだ遊びたい。ママと一緒にいたい。ママの気をひきたい。
対処)保育園のように生活にリズムを作るようにする。どうしても泣く場合にはそばで一緒に寝る。それでも泣き止まなければ子どもと一緒にいつつ、他のことに意識を向ける。
こんなときどうする?【買い物・外遊び編】

最後に、買い物や外遊びシーンで発動されるイヤイヤには、次の対処法が有効です。
お店で「買って買って」とダダをこね、ギャン泣きする
原因)ママへの甘え
対処)自分の買い物を続けながら、無感情で「そうだね~」「買いたいね~」などと会話するが、まともには取り合わない。
外の遊びから帰りたがらない
原因1)ママに甘えている
対処)子どもを抱っこしたり、子どもの要求を受けいれる。どうしても時間がない場合にはいったん離れて子どもを見守り、帰る理由を静かにゆっくり伝える。あらかじめ今日の予定を伝えておく方法も有効。
原因2)まだ遊びたい
対処)「あと何回やったら帰る」といったことを子どもと話し合って決め、守らせる。ダダをこねたらいったん離れる。あらかじめ今日の予定を伝えておく方法も有効。
親の心の余裕をあとまわしにしないこと

イヤイヤ期の対処方法についてまとめましたが、いかがでしたか?
大切なのは、なぜ子どもがイヤイヤしているのか観察し見極めること。
イヤイヤのタイプにあった対応をしないとカラ回りしてしまい、疲れたりイライラしたりするだけです。
見極めるコツは、心に余裕をもつことです。
心の余裕がなければ観察眼が鈍りますし、いくらかわいいわが子のイヤイヤとはいえ、なかなか受け止めきれるものではないからです。
100点の育児はないのだと割り切って、自分を責めないようにするのも、親と子の関係を良好に保つポイントですよ。
イヤイヤ期ってどんなもの?イヤイヤ期の疑問を解決♪