出産祝いを無料でもらえる?ウェルカムベビープロジェクトとは?事務局にインタビューしてみた!

横浜市の戸塚区・鶴見区でおこなわれている、ウェルカムベビープロジェクトをご存じでしょうか?

無料で出産祝いをもらえることで知られていますが、子育て中のママをサポートするための活動でも注目されています。

どのような活動をおこなっているのか、出産祝いには何がもらえるのかなど、気になる活動内容について、プロジェクトリーダーである細井綾さんにお話をうかがいました。

ウェルカムベビープロジェクトとは?

NPO法人こまちぷらす細井綾さん

ウェルカムベビープロジェクトとは、「赤ちゃんの誕生を地域全体で祝福しよう」という取り組みで、NPO法人こまちぷらすがさまざまな企業や人と一緒にとなって活動しています。

  • 出産祝いのお届け
  • おむつ自動販売機の展開
  • プレママ・プレパパ講座
  • 0歳児親子の集いの場
  • 0歳児親子のおしゃべり会

このように、産前・産後のママやパパをサポートする、さまざまな活動をおこなっています。

細井さん

プレママ・プレパパ講座や、0歳児親子の集いの場などは、地域の産院や保育園と協働しておこなっています。

編集部

ママ友やパパ友をつくる交流の場としても活躍しますね。

ウェルカムベビープロジェクトのはじまり

編集部

ウェルカムベビープロジェクトを、はじめたきっかけを教えてください。

細井さん

子育てが他人ごとではなく、自分のこととしてかかわる必要があると感じたのがきっかけです。

2014年に横浜で、子育て支援をしている複数のグループとパパ・ママたちが「子育てが豊かに楽しくなるためにどうしたらいいか」を調べるアンケートを実施しました。

その結果として、待機児童の問題よりも「子育ての環境や雰囲気」に悩む親御さんが多かったのです。

「もっと温かい目で子どもたちと接してほしい」
「ベビーカーでバスに乗せたときにされる舌打ちがツラかった」

といった悩みが寄せられていました。

そこを変えるためには、「人」に働きかけなくてはいけないと考えたのがはじまりです。

出産祝いとしてなにをもらえるの?

ウェルカムベビープロジェクト出産祝い品

編集部

ウェルカムベビープロジェクトの活動に「出産祝い」とありますが、具体的にどのようなものがもらえるのですか?

細井さん

2019年度に、戸塚区で贈る出産祝いを一部紹介しますね。

  • ベビーソープ
  • スキンケア商品
  • お買い物割引券
  • 日めくりカレンダー
  • お出かけバッグ
  • 家事代行サービスの2時間無料券
  • 記念写真撮影チケット
  • タクシーの迎車料金無料券
  • 背守り・お祝いメッセージ

数量限定品もあるので、なかには出産祝いに入っていないこともありますが、申込みをいただいてから2ヶ月を目安にお贈りしています。

ウェルカムベビープロジェクトは、育児グッズを届けることが目的ではありません。

受け取ったママ・パパが街の人とつながったり、出かけるきっかけになればと思ってお届けしています。

細井さん

産後1~2ヶ月は、なかなか外出できずに引きこもってしまうことも多いので、出産祝いを贈ることで、ママが出かける機会につながってほしいのです。

フィンランドで、国から出産祝いをお届けする仕組みがあることを知り、それも参考にしてみました。

背守りとは?

背守り

編集部

出産祝いのなかにある「背守り」とは、どのようなものでしょうか?

細井さん

背守りは、子どもが健やかに育つように願いを込めて着物や服の背中に縫い目をつけるお守りです。
聞きなれないかもしれませんが、昔から日本にある風習なんですよ。

昔の人は、悪い病気や邪気が、背中や袖口から入ってくると信じられていました。

大人の着物は背中に縫い目があるため、それが「目」の役割をして邪気を追い払うと考えられていました。

しかし、赤ちゃんの産着は布幅一枚で作られているため、背に縫い目がなく、背中に「目」がありません。

病気や邪気から赤ちゃんを見守る「目」の代わりに、背守りを赤ちゃんの産着に縫いつけたのがはじまりだそうです。

昔は、直接着物に縫っていましたが、私たちはプレゼントとして贈るために、さらしをワッペン型にしてつくっています。

編集部

ワッペン型だと、赤ちゃんの服やバッグにもつけやすいですね。

細井さん

母子手帳に挟んで持ち歩いてくださる人もいますよ。

地域の方が、メッセージとともに背守りを縫ってくださいます。

戸塚では月に2回、鶴見では月に1回、背守り会を開催していますが、高齢の方や子育て中の方、小学生や高校生が来てくれることもありますよ。

今は、サービスつき高齢者住宅の食堂をお借りして活動することもあり、地域の方と高齢の方との交流の場にもなっています。

背守りの文様の意味

背守りには、トンボやむすび、松の葉やちょうちょなどが文様として縫いつけられおり、それぞれの文様には意味があります。

背守りの文様の意味

  • トンボ:前にしか飛ばないため「勝ち虫」といわれる。
  • むすび:さまざまな願いが込められ、子どもの魂を守る力があると考えられている。
  • 松の葉:一年中枯れないので、生命力の象徴とされる
  • ちょうちょ:幼虫からさなぎ、成虫へと姿を変えて成長することから「再生」「不滅」を意味する

このような縁起物をはじめ、稲穂や千鳥なども背守りの文様に使われます。

背守りを出産祝いのプレゼントに取り入れようと思った理由

編集部

なぜ、背守りを出産祝いに取り入れようと思ったのですか?

「地域が見守る目」として背守りをとり入れたいと思ったのがきっかけです。

背守りは、江戸時代ごろから全国であった風習のひとつですが、親が子の健やかな成長を願って作られていました。

現在でも、わたしたち以外に背守りの文化を広げている団体はいます。

背守りを通して、日本の子育て文化を伝えられたらいいなと思います。

おむつを買える自動販売機

細井さん

おむつ自動販売機は、飲料メーカーと生活消費財メーカーのコラボレーションによる、飲み物と紙おむつ、ウェットティッシュが一緒に販売されている自動販売機です。

編集部

赤ちゃんとのお出かけで、うっかりおむつを忘れてしまったときに、飲み物の自動販売機で紙おむつが購入できると、パパやママも助かりますね。

現在、ウェルカムベビープロジェクトのおむつ自動販売機は、合計6ヶ所に設置されています。

おむつの自動販売機を設置している場所

  • 横浜市内の商業施設:3ヶ所
  • 神奈川県にある体育館
  • 大阪国際空港
  • 銀座の博品館

ママ・パパへの配慮だけでなく、プロジェクト支援の仕組みも、取り入れています。

この自動販売機で飲み物を購入すると、その一部がプロジェクトへの支援金となる仕組みです。

Bizサポーターとは?

細井さん

Bizサポーターは、私たちと一緒にプロジェクトを進めてくださる企業のことです。

ウェルカムベビープロジェクトは、皆さんからの協賛や寄付で活動しており、出産祝いとして贈るプレゼントは、企業や地域の店舗に提供していただいています。

編集部

協力してくれるのは、どのような企業が多いですか?

協力してくださる企業は、ウェルカムベビープロジェクトのビジョンに共感してくださる企業です。

これからの日本を背負っていく子どもの誕生によって、家族だけではなく、街・企業・団体・社会に歓迎される文化をつくりたい。

地域みんなで子育てをする社会をつくりたい。

1社ではできないことであっても、2社3社と集まったときに、子育ての環境を豊かにできるかもしれない。

そういう思いに共感してくれる企業ですね。

プレゼントを選ぶ基準はママへの想い

編集部

出産祝いとして贈るプレゼントを選考会で決めているようですが、その選定基準と選考時期を教えていただけますか?

毎年12月に、翌年の出産祝いの選考会と、選考結果発表会をおこなっています。

応募していただいた各企業にプレゼンをしてもらい、選考委員が決定します。

選考は、

  • 親子のかかわりが豊かになっているか
  • 外出のきっかけになっているか、地域のつながりになっているか
  • 親御さんのリフレッシュになっているか

などを基準におこなっています。

編集部

出産祝いは毎年どのくらいの申込みがあるのですか?

戸塚区の場合ですと、プロジェクトを開始した2016年度の申込みは239件、2017年度は470件、2018年度は550件程の申込みをいただいています。

リフレッシュになるこまちカフェ

こまちカフェ

こまちカフェは、地域と親子の交流の場にもなるカフェです。

お茶やランチを楽しみながら、子育ての悩みや喜びを分かち合う仲間を見つけることもできます。

子育てをしているママが、孤立せずにリフレッシュできるコミュニケーションの場として利用されていますよ。

「こまちカフェ」のメニューとはって?

編集部

こまちカフェのメニューには、どのような特徴がありますか?

こまちカフェでは、「誰もが一緒に食べられるごはん」を提供しています。

アレルギーがある子でも、家族と同じメニューを食べられるように、こまちカフェのメニューには小麦・乳・卵を使用していないものもあります。

野菜は地域の農園から仕入れており、地域のつながりを大切にしています。

どんな空間提供をしたい?

こまちカフェ

編集部

こまちカフェを利用してもらいたいのはどんな方ですか?
また、どのような空間を提供したいとお考えですか?

ひとりでも、お友達や家族とでも、いろいろな人に利用していただきたいです。

その日の朝に大変なことがあったとしても、こまちカフェに来ることでリフレッシュできる、そんな空間でありたいと思っています。

ウェルカムベビープロジェクトを企業の福利厚生にしたい

NPO法人こまちぷらす細井綾さん

編集部

今後、ウェルカムベビープロジェクトの活動を拡大する予定はあるのでしょうか?

企業の福利厚生としてウェルカムベビープロジェクトができたらと考えています。

会社からの出産祝いとして背守りや育児グッズなどを届けることで、社内での人間関係やつながりを強めていくことにもなるのではないでしょうか。

若い世代の人が、自分が結婚や出産をする前に育児に触れる、よい機会にもなると思います。

細井さん

子育てをしながらでもできる、地域貢献やエコについても取り組んでいければと思います。

編集部

具体的にどのようなことをするのでしょうか?

細井さん

難しいことをする必要はありません。
出かけるときにハンカチやエコバッグを持ち歩くことや、夜は少し早めに電気を消して、赤ちゃんと一緒に寝るようにしたりといった簡単なことがエコにもつながると考えています。

編集部

子育てをしているなかで、できる身近な行動でも、エコや地域貢献につながるのですね。

ウェルカムベビープロジェクトで目指す社会は「助け合いの循環」

編集部

ウェルカムベビープロジェクトの活動を通して、どのような社会になっていけばいいと思いますか?

地域の中で、子育てにかかわる人が増えたらいいと思います。
子育てを自分のこととして考えてもらいたいです。

私自身三つ子を出産しており、子育てで大変な思いをした経験があります。

母親だけ、家族だけでは、とても育児ができる状態ではありませんでした。
思うように外出もできないなかで、地域の人たちにはとても助けていただきました。

地域の人たちに助けてもらったママが、今度は助けを必要としている誰かの支えになるような、よい循環が生まれたらいいと思います。

【プロフィール】
細井 綾

NPO法人こまちぷらす。ウェルカムベビープロジェクトのプロジェクトリーダー。
3児の母でもあり、自身が育児中に感じた地域の人とのつながりの大切さを今はより多くの人に感じてもらえるように発信している。

<Webサイト>
ウェルカムベビープロジェクト
http://welcomebabyjapan.jp/
NPO法人こまちぷらす
https://comachiplus.org/
こまちカフェ
https://comachicafe.com/

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