何日も子どものウンチが出ていなくて「便秘気味かも…」と心配していませんか?
病院に連れていく前に、自宅でケアできないかと考えているパパママにオススメなのが綿棒浣腸です。
この記事では、綿棒浣腸の正しいやり方と、赤ちゃんの便秘解消法について紹介します。
「赤ちゃんの便秘はいつまでなら大丈夫?」
「病院に連れていくタイミングは?」
など、気になる疑問を解決していきましょう。
赤ちゃんが便秘になる原因って?
排便のペースには個人差があります。
何日間出ていないと便秘という日数の定義はありません。
毎日ウンチが出る赤ちゃんもいれば、2〜3日に1回しか出ない赤ちゃんもいるでしょう。
赤ちゃんの便秘の原因として、次のようなことがあげられます。
- 腸内環境の変化
- 気候の変化
- ウンチを押し出す力が弱い
離乳食がはじまったことで、腸内環境が変わり便秘になったり、暑さで水分不足のため便秘になることもあります。
「赤ちゃんが便秘かも」と思っても、機嫌がよくて食欲があり、体重が順調に増えているのであれば心配いりません。
苦しそうなほどおなかが張っていたり、機嫌が悪くて泣くようなことが続いているのであれば排便を促す必要があるでしょう。
また赤ちゃんは自分の力でウンチを押し出す力がまだ弱いので、うまく踏ん張ることができずに便が溜まっていることがあります。
これは成長とともに改善されるので、これから紹介する綿棒浣腸を試しながら様子を見ましょう。
参照:公益財団法人 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」
綿棒浣腸とは?
綿棒浣腸とは、綿棒で赤ちゃんの肛門を刺激して排便を促す方法です。
綿棒で刺激することで、肛門付近に溜まったウンチを出すことができます。
先が固くなっていたウンチが出ると、驚くほどスッキリとウンチが出ることもあるでしょう。
綿棒浣腸は癖にならないの?
「綿棒浣腸は癖になる」という話を耳にしたことがありませんか?
これは根拠のない情報で、綿棒浣腸が癖になることはありません。
赤ちゃんの便秘を解消する方法として、効き目も早く、体に負担もないのです。
正しい方法で綿棒浣腸をおこなえば、将来的にも綿棒浣腸のせいで排泄に問題がおきることはないといわれています。
綿棒浣腸の正しいやり方
それでは綿棒浣腸の正しい手順を確認しましょう。
力を入れすぎると、肛門を傷つけるので注意が必要です。
用意するもの
綿棒浣腸をするときに必要なものを準備しましょう。
- 大人用綿棒
- 潤滑油
- オムツ・新聞紙など
子ども用の綿棒では細すぎるため、大人用の綿棒を用意します。
肛門での摩擦による負担を軽減する潤滑油には、ベビーオイル・ワセリン・植物油(オリーブオイル)などが使用できます。
オムツや新聞紙はウンチで汚れないように、お尻の下に敷きましょう。
綿棒浣腸の手順
綿棒浣腸の正しい手順を紹介します。
力を入れすぎると肛門を傷つけることがあるので、力加減に気をつけましょう。
- 大人用の綿棒に、ベビーオイルやワセリンをつける
- 赤ちゃんを仰向けに寝かせ、両足を持って足をおなか側に寄せる
- 肛門に傷がないかを確認して、肛門の周りを優しく綿棒でクルクルとなでる
- 綿棒の綿部分が隠れるくらい(1〜2センチ程度)を肛門に入れる
- 内側の粘膜面を刺激するように、綿棒をクルクルと回す。
肛門付近にウンチが溜まっている場合は、これで出てくることがほとんどです。
ほかにもある!自宅でできる赤ちゃんの便秘対処法
綿棒浣腸以外にも、赤ちゃんの便秘対策として自宅でできることがあります。
綿棒浣腸をしても効かない場合や、綿棒浣腸をする前に試せることをまとめました。
粉ミルクの分量は適切か確認する
粉ミルクは、母乳と違って消化に時間がかかるので、ウンチが硬くなりやすい傾向があります。
分量が適切でないと、胃腸に負担がかかるので注意が必要です。
また欲しがるからといって月齢の目安以上に飲ませると、カルシウムの過剰摂取で便秘の原因にもなります。
メーカーが記載している分量や回数を守って飲ませましょう。
参照:メリーズ「赤ちゃん相談室 赤ちゃんの便秘」
果汁やマルツエキスを飲ませる
マルツエキスとは、赤ちゃんの便秘薬です。
麦芽糖の発酵作用が、腸の運動を活発にしてて排便を促します。
サツマイモなどから抽出された天然由来の成分なので、下痢になることも少なく、ほんのり甘いので赤ちゃんでも飲みやすいでしょう。
みかんやオレンジなどの柑橘系の果汁も便秘に効果的です。
一度にたくさん飲ませると、おなかが緩くなることもあるので、少量を飲ませて様子をみましょう。
参照:公益財団法人 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」
おなかのマッサージ
マッサージでも、排便を促すことができます。
「の」の字マッサージ
赤ちゃんの便秘解消に有効な、おなかのマッサージです。
おへその周りを優しく、「の」の字を書くようにくるくるとさすってあげましょう。
ウンチが腸に溜まっている場合に有効です。
5本指マッサージ
赤ちゃんのおなかを包み込むように、ママの手を軽く広げて置きます。
親指から順に、ゆっくり優しく押すように力を入れていきましょう。
何度か繰り返してマッサージをすることで、腸に刺激が伝わります。
便秘の予防にもなるのでオススメです。
食生活の見直し
離乳食が始まってからの便秘は、食事にきをつけることで、便秘を解消できる場合があります。
- ヒジキやわかめなどの海藻類
- ほうれん草や小松菜
- オレンジなどの柑橘系やプルーン
- さつまいもや豆類など食物繊維が豊富なもの
- チーズやヨーグルトなどの乳製品
- 寒天ゼリーなど水分の多いもの
これらの食材は腸内環境を整えて、ウンチが固くなるのを防ぐのに効果的です。
積極的に取り入れましょう。
水分が増えることで、ウンチがやわらかくなるので、しっかり水分補給することも大切です。
ママの食生活も見直してみる
母乳育児中のママは、自身の食生活も見直しましょう。
甘いパンやお菓子などを食べ過ぎて母乳の質が落ちると、授乳で赤ちゃんが摂取できる栄養も偏ります。
すると腸内環境を整えられずに、赤ちゃんが便秘になるのです。
生活習慣を整える
大人であれば生活習慣の乱れが便秘につながるのはよくあることですが、子どもでも、生活習慣の乱れによって便秘になるケースがあります。
早寝早起きを心掛け、生活習慣を整えることで便秘を解消できる場合もあるでしょう。
トイレトレーニングもかねて、朝食後にトイレに行く習慣をつけるのも効果的です。
参照:小児慢性機能性便秘診療ガイドライン作成委員会「こどもの便秘 ―正しい知識で正しい治療を―」
病院を受診する目安は?
4日以上ウンチが出ていなくて、つらそうだったり機嫌が悪いようであれば、小児科を受診してみましょう。
腸にウンチが溜まりすきぎると、少量のウンチが何度も出るようになります。
小さいコロコロのウンチや、軟らかいウンチが少しずつ、1日に何回も出ている場合も便秘の特徴です。
何度も便秘を繰り返すようであれば、便秘症の可能性もあります。
排便回数の減少や排便の困難 さ、硬便、残便感、腹痛、腹部膨満感など便秘状態が続き、治療が゙必要な状態。
便秘症が1〜2ヶ月以上続いた場合は、慢性便秘症と診断されます。
ウンチを柔らかくする薬や、整腸剤などを処方してもらい様子を見ましょう。
参照:小児慢性機能性便秘診療ガイドライン作成委員会「こどもの便秘 ―正しい知識で正しい治療を―」
赤ちゃんの便秘は早めに対処しよう!
たかが便秘と思って放置しておくと、症状が悪化して、慢性的な便秘症になる可能性もあります。
綿棒浣腸をはじめとする、自宅での対処法で改善する場合が多いですが、それでも症状が続く場合は、小児科を受診して医師の診察を受けましょう。
赤ちゃんのためにも、便秘をスッキリ解消してくださいね。