水疱瘡(みずぼうそう)の予防接種は定期接種!副作用は?

身体中に発疹ができる水疱瘡は、感染力が強く以前は子どもに多く見られた感染症です。

2014年に定期接種化されてから、年間の感染者は激減していますが、まだまだ未接種の人も多く注意が必要です。

「定期接種とはいえ、副作用が気になる」というママは多いでしょう。

ここでは、水疱瘡の定期接種のスケジュールや副作用についてをまとめました。

水疱瘡(みずぼうそう)とは?


水疱瘡(みずぼうそう)は、水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症です。

正式には、水痘(すいとう)といいます。

水ぶくれ状の発疹が出るのが特徴ですが、症状が現れる前から人にうつる可能性があるため、知らない間に感染源となり、集団感染をおこすリスクが高い疾患です。

定期接種として導入された2014年以前には、推定で年間100万人の患者が発生していました。
おもに子どもがかかる病気で、9歳以下で発症することがほとんどです。

経過は一般的には良好ですが重症化するケースもあり、場合年間約4000人が入院、約20人が死亡していたと推定されています。

定期接種導入以降、患者数や入院数は激減しており、予防接種の効果は確実に現れています。


参考:厚生労働省「水痘ワクチンの 接種対象者及び接種方法について」
参考:国立感染症研究所「水痘ワクチン定期接種化後の水痘発生動向の変化」

水疱瘡の症状は?

潜伏期間は2週間程度です。
子どもの場合は、発症すると同時に発疹が現れます。

発疹はまず頭皮に始まり、その後、体、手足へと広がっていきます。
発疹は痒みをともなうのが普通です。

発疹の一般的な経過は以下のようになります。

  1. 皮膚の表面が赤くなり、皮膚が1〜4mm程度盛り上がる
  2. 水ぶくれ状の水疱になる(透明〜黄っぽい粘液を含む)
    水疱がつぶれて漏れ出た体液は、感染力があるので要注意
  3. かさぶたになる

発疹がかさぶたになったあと、自然にはがれて治っていきます。
すべての発疹がかさぶたになるには、早くても1週間はかかるでしょう。

発疹以外の症状としては

  • 発熱
  • 倦怠感
  • 頭痛
  • 食欲不振

などがみられます。

参考:厚生労働省「水痘」
参考:国立感染症研究所「水痘とは」

水疱瘡の感染期間

水疱瘡は、人から人へと感染する病気です。

感染力は比較的強く、発症する1〜2日前から発疹がかさぶたになるまでのあいだはうつる可能性があります。

家族のなかに水疱瘡の患者が1人いた場合、水疱瘡の抗体を持たない家族が感染する確率は90%以上です。

空気感染飛沫感染(咳やくしゃみを通して)、接触感染によって広がるため、水疱瘡に感染した場合は、すべての水疱がかさぶたになるまで登校や登園はできません。

参考:厚生労働省「水痘」
参考:国立感染症研究所「水痘とは」

水疱瘡の合併症

水疱瘡からひきおこされる合併症としては、次のようなものが考えられます。

  • 傷口から侵入した別の細菌による皮膚の感染症
  • 熱生痙攣
  • 肺炎
  • 気管支炎
  • 髄膜炎
  • 脳炎

大人に比べると、子どもの水疱瘡は重症化しにくいといわれます。
しかし免疫機能が低下しているケースでは、重症化することもあるので注意が必要です。

参考:厚生労働省「水痘」
参考:国立感染症研究所「水痘とは」

水疱瘡のときに使ってはいけない解熱剤

水疱瘡が発症したあと、発熱がみられることがあります。

このときに小児患者が、解熱剤のアスピリンを使用すると、ライ症候群をひきおこすことがあります。

ライ症候群の症状には嘔吐、錯乱、意識障害、痙攣、昏睡などがあり、脳に障害が残るケースもあるようです。

水疱瘡が疑われるときには、素人判断せず、病院を受診し適切な薬を処方してもらいましょう。

参考:国立感染症研究所「水痘とは」

水痘ワクチンは2014年に定期接種に


水疱瘡を予防するワクチンとして、2014年10月1日より水痘ワクチンが定期接種となりました。

水痘ワクチンは生ワクチンで、推奨される接種回数は2回です。

1回接種することで、重症の水疱瘡を100%予防できます。

しかし1回の接種では、水痘の免疫を得ているにも関わらず、軽症の水疱瘡を再び発症するケースが10〜20%ほどみられます。

十分な予防のために2回目の接種も忘れずに受けましょう。

参考:厚生労働省「水痘」

定期接種の対象者

水痘ワクチンは定期接種ですので、定期接種対象者は、無料で予防接種を受けることができます。

定期接種対象者は、生後12ヶ月から生後36ヶ月を迎えるまでの子ども(1歳の誕生日を迎えた子どもから3歳の誕生日の前日までの子ども)です。

指定された時期をすぎると、任意接種となり料金が自費になりますので、忘れずに接種しましょう。

なお水痘は一度かかると免疫を獲得していると考えられます。

水疱瘡に感染したことがある子どもは、その後予防接種を受ける必要はなく、定期接種の対象外となります。

参考:厚生労働省「水痘」

推奨される接種スケジュール

日本小児科学会では、水痘ワクチンの接種時期を以下のように、推奨しています。
接種スケジュールを組み立てるときの参考にしてください。

  • 1回目:生後12〜15ヶ月のあいだ
  • 2回目:生後18〜23ヶ月のあいだ

1回目と2回目の間は、最低でも3ヶ月以上あける必要があります。
推奨される2回目の接種日程は、1回目から6〜12ヶ月後です。

ただし13歳以上の接種では、1回目と2回目の間は4週間以上あければよいことになっています。

参考:日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」

推奨される同時接種

0歳か2歳にかけては、さまざまな予防接種を受ける必要があります。

定期接種として指定された期間に、すべての予防接種を受けるためには同時接種がオススメです。

水疱ワクチンと同時接種が推奨されるのは、MRワクチン(定期接種)とおたふくかぜワクチン(任意接種)です。

どのような組み合わせで受けるかは、受ける人が自由に選べますが、効率的に予防接種をすませるために、推奨された同時接種も参考にしてください。

参考:日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」


任意接種でも受けるべき?

水疱瘡は大人になってからかかると重症化しやすい病気です。

肺炎や脳炎といった合併症を併発するリスクは、子どもよりも大人の方が高いといわれます。

しかし定期接種が導入されたのが2014年なので、予防接種を受けないままでいる人もまだまだ多いのが現状です。

日本小児科学会では、任意接種となっても受けることを推奨しています。

3歳以上は任意接種となり料金がかかりますが、大人になってからの感染は危険です。

任意接種の場合は、健康保険も適用されないため、全額自己負担となります。

医療機関によって料金は異なり、水痘ワクチン1回の接種料金は、8000〜10000円程度です。

ただし一部の自治体では、申請することで費用の一部を助成している地域もあります。
一度、お住まいの自治体のホームページを確認するといいでしょう。

なお水疱瘡にかかったことがある人は、免疫を獲得していると考えられるため、予防接種の必要はありません。
参考:日本小児科学会「水痘ワクチン定期接種化前後の任意接種勧奨」

予防接種を受けられないケース

予防接種は、体調のよいときに受けるのが基本です。

次のようなときは、水痘ワクチンの予防接種を受けることはできません。

  • 発熱している(37.5度以上)場合
  • 下痢や嘔吐などをともなう急性疾患にかかっている場合
  • 水痘ワクチンに含まれる成分で、強いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)をおこしたことがある場合
  • 医師により不適当と判断された場合

以下のような場合は、接種してもいいかどうか医師に相談してください。

  • 過去、ほかの予防接種で熱を出したり、アレルギー反応を起こしたことがある
  • 免疫機能に異常がある疾患がある
  • 肝臓疾患、腎臓疾患、血液疾患などの疾患がある

財団法人予防接種リサーチセンター「予防接種ガイドライン」

水痘ワクチンの副反応


水痘ワクチンの副反応としてよくみられるのは、接種部位が赤くなったり、腫れて硬くなったりするものです。

それ以外にあらわれる副反応として、
ワクチンの接種直後から翌日にかけて

  • 発疹
  • じんましん
  • 紅斑(皮膚が赤くなる)
  • 発熱
  • かゆみ

などの症状がみられることがあります。

またワクチン接種後1〜3週間ごろには

  • 発熱
  • 発疹
  • 帯状疱疹

といった副反応が起こることがありますが、一過性のもので数日内におさまるのが普通です。

極めてまれにみられる重い副反応としては、アナフィラキシー急性血小板減少性紫斑病があげられます。

アナフィラキシーの症状は、通常接種後数分後〜数時間後にあらわれるもので、じんましんや呼吸困難、唇や喉の腫れ、血液低下、意識障害などの症状をともないます。

急性血小板減少性紫斑病は接種後数日後〜3週間ごろにあらわれる疾患です。
症状としては、鼻からの出血や紫斑、口中の粘膜からの出血などがみられます。

上記のような症状がみられた場合、すぐに小児科医で受診してください。

参考:厚生労働省「水痘」

接種後に注意したいこと

水痘ワクチンを接種したあとには、以下のことに注意してください。

  1. 30分は安静にして様子をみる
    (接種後は、万一に備え、病院内で待機するのが好ましい)
  2. 接種当日は接種前・後ともに、はげしい運動をさせない
  3. 接種当日の入浴はできますが、接種後1時間以上あけ、接種した部分はこすらない
  4. 接種後に副反応が出ることがあるため、接種後3週間くらいは赤ちゃんの健康状態をよく観察する
  5. 水痘ワクチンは生ワクチンなので、別の予防接種を受ける場合は27日以上間隔をあける

定期接種は忘れずに受けましょう


水痘ワクチンが定期接種に導入されて以降、国内における感染数は減る傾向にあります。

しかし2014年以前では任意接種だったため、予防接種を受けていなままになっている人もまだまだ多くいるようです。

水疱瘡は、大人になってかかると重症化しやすく、家族内感染のリスクが高い疾患といわれています。

定期接種対象者である幼児はもちろんのこと、未接種の家族もこの機会に接種を検討してみてはいかがでしょうか?