【医師監修】ロタウイルスの予防接種スケジュールは?副反応(副作用)や費用は?

赤ちゃんの予防接種の推奨接種期間は、かかりやすい年齢、および発症した場合に重症化しやすい年齢を考えたうえで決められています。

予防接種の種類は多く、それぞれ予防できる疾患、推奨接種期間などが異なります。

ここでは、ロタウイルスの予防接種について詳しくみてみましょう。

乳幼児に多いロタウイルス胃腸炎


ロタウイルスは、胃腸炎の原因となるウイルスです。

生後6ヶ月以降の乳幼児に多くみられます。

激しい嘔吐下痢を引きおこし、入院が必要となるケースも多い感染症です。

とくに冬に感染が多くなる傾向にあります。

激しい嘔吐と下痢で重症化しやすい

胃腸炎をおこすウイルスは、ほかにもありますが、なかでもロタウイルスは、激しい嘔吐下痢症状をともなうことで知られています。

乳幼児においては、激しい下痢が4〜5日続くこともあり、脱水症状を引きおこしやすいので注意が必要です。

特徴的な症状として、米のとぎ汁のような白い水様性下痢便がでます。

あまりにも下痢がひどい場合には、入院しての点滴治療などが必要になることもしばしばあります。

後遺症が残る合併症を併発することも

ロタウイルスの合併症としては、脳炎や脳症があります。

乳幼児における脳炎・脳症の原因となるウイルスにはさまざまなものがありますが、インフルエンザや突発性発疹の次に多いのが、ロタウイルスです。

脳炎・脳症を発症すると、神経系の後遺症が残ることもあります。

感染力が強く根本的治療はないウイルス

ロタウイルスは、感染力が強いウイルスで、少量でも感染します。

さまざまな消毒剤に対しても、比較的強い抵抗力を持っていることでも知られ、衛生状態に気をつけていても完全に感染を予防することが難しいウイルスです。

現在のところ、ロタウイルスに対する根本的な治療薬はなく、対症療法で症状を和らげることしかできません。

とくに初回の感染において重症化しやすく、合併症を引きおこす危険もあります。

そのため、予防接種によって感染をあらかじめ防御することが大切になってくるのです。

ロタウイルスワクチンの種類


ロタウイルスワクチンは、ロタウイルス胃腸炎を予防するための、乳児用経口生ワクチンです。

経口生ワクチンとは、病原性を弱めたウイルスから作られている、口から飲むタイプのワクチンのこと。

弱めた病原ウイルスに感染させることで、体内に免疫を作る仕組みです。

ロタウイルスワクチンの接種は、任意予防接種であるため、接種には費用がかかります。

種類は、ロタリックスロタテックの2種類です。

いずれも複数回の接種が必要ですが、それぞれ接種回数、対象月齢、金額は異なります。

接種する場合は、どちらかを選んで接種しなければなりません。

ロタリックス

ロタウイルスにはいろいろ型があります。

そのなかでも、もっともよくみられる型に対応した1価ワクチンが、ロタリックスです。

1価ワクチンですが、他の型に対しても免疫をつくるため、多価ワクチンと同じような効果があります。

  • 接種回数:2回
  • 1回あたりの摂取量:1.5ml
  • 接種間隔:4週間以上

ロタテック

ロタテックは、5つの型のロタウイルスに対応していている5価ワクチンです。

頻度的に上位にみられる、複数のロタウイルスの型に対して効果があります。

  • 接種回数:3回
  • 1回あたりの摂取量:2ml
  • 接種間隔:4週間以上

ロタウイルスワクチンの費用と助成金


ロタウイルスの予防接種は、定期接種ではなく任意接種のため費用がかかります。

また、予防接種は、健康保険の対象外であるため、ロタウイルスの予防接種の費用は全額自己負担となります。

医療機関によって多少の料金は違いますが、かかる費用は以下のようになります。

  • ロタリックス:1回の接種あたり15,000円前後
  • ロタテック:1回の接種あたり10,000円前後

医療費控除は受けられる?

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円を超える場合、税務署に申告することで、一定の所得控除を受けることができる制度です。

しかし、予防接種は医療費控除の適用外です。

そのためロタウイルス予防接種にかかった費用は医療費控除の対象にはなりません。

自治体からの助成金

お住まいの自治体によっては、ロタウイルスの予防接種の助成が受けられます。

助成の範囲についても一部助成、全額助成と地域によってさまざまです。

申請することで受けられる助成ですので、お住まいの地方自治体に、申請方法を確認してください。

ロタウイルスの予防接種スケジュール

ロタリックス、ロタテックともに、接種時期には制限があります。

推奨されている、標準的なスケジュールをみていきましょう。

ロタリックスの接種スケジュール

ロタリックスは、2回の接種が必要です。

  • 1回目:生後6週~15週未満
  • 2回目:生後10週~24週未満

ロタテックの接種スケジュール

ロタテックは、3回の接種が必要です。

  • 1回目:生後6週~15週未満
  • 2回目:生後10週~28週未満
  • 3回目:生後14週~32週未満

いつまでに受ければいいの?

ロタウイルスワクチンであるロタリックス、ロタテックいずれも、1回目は生後15週未満までに接種する必要があります。

ワクチン接種の副反応がである、腸重積の発症を最低限に抑えるために、早めの接種が推奨されています。

15週をすぎてしまうと受けることができないので、注意しましょう。

同時接種の必要性について

現在の日本においては1歳までに受けるワクチンは6〜7種類あり、それぞれが複数回の接種が必要となっています。

それらを全部単独で受けようとすると、接種回数は10数回におよびます。

しかも生ワクチンの場合は、4週間後でなければ次のワクチン接種ができず、単独接種だと、1歳までにすべてのワクチンを接種するのが難しいのが現状です。

この問題をクリアするために、推奨されているのが同時接種です。

同時摂取とは、2種類以上のワクチンを同時に摂取すること。

効果や安全性は単独接種と変わらないため、ロタウイルスの予防接種においても、同時接種が推奨されています。

推奨される同時接種

  • 1回目:生後2ヶ月頃 ロタウイルス・ヒブ・小児用肺炎球菌・B型肝炎
  • 2回目:生後3ヶ月頃 ロタウイルス・ヒブ・小児用肺炎球菌・B型肝炎・DPT
  • 3回目:生後4ヶ月頃 ロタウイルス・ヒブ・小児用肺炎球菌・DPT

予防接種が受けられないケース

予防接種は、体調のよいときに受けるのが基本です。

次のようなときは、ワクチンの接種時期内であっても、予防接種を受けることはできません。

  • 発熱している(37.5度以上)場合
  • 下痢や嘔吐など急性疾患にかかっている場合
  • 腸重積症になったことがある場合
  • 腸重積症発症の可能性のある未治療の先天性消化管疾患がある場合
  • 医師により不適当と判断された場合

以下のような場合は、接種してもいいかどうか医師に相談してください。

  • 過去、他の予防接種で熱を出したり、アレルギー反応を起こしたことがある
  • 免疫機能に異常がある疾患がある
  • 肝臓疾患、腎臓疾患、血液疾患などの疾患がある
  • 胃腸障害がある

予防接種後に気をつけたいこと


ロタウイルスワクチン接種後には以下のようなことに注意してください。

  1. まれに重いアレルギー症状が出ることがあります。
    接種後30分は、安静にして様子をみてください。
    できれば、接種した場所で待機するか、接種した医師と連絡がすぐに取れる状態にしてください。
  2. 接種後1〜2週間は赤ちゃんの健康状態をよく観察して、体調の些細な変化にも注意してください。
  3. 接種後1週間は、赤ちゃんの便からロタウイルスが排泄されます。
    接種後に便から排出されたウイルスによって発症する可能性は低いのですが、オムツ替えの後などは手をよく洗うなど衛生状態に注意してください。
  4. ロタウイルスワクチンの重篤な副反応として、腸重積があります。
    次のような兆候がみられた場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。
  • 不機嫌でぐったりしている
  • 顔色が悪い
  • 嘔吐を繰り返す
  • イチゴジャムのような血便がある
  • 高熱がでる
  • けいれんをおこす
  • ロタウイルスワクチンの副反応

    ワクチン接種後には、副反応が現れることがあります。

    副反応とは、接種にともなっておきる、免疫付与以外の反応のことをいいます。

    ロタウイルスの予防接種後にも、以下のような副反応がおこることがありますので、接種後1〜2週間は、赤ちゃんの様子に注意してください。

    考えられる副反応

    • ぐずり
    • 下痢
    • 嘔吐
    • 発熱
    • 咳・鼻水
    • お腹の張り
    • 胃腸炎

    ごくまれに重篤な副反応として、腸重積症があります。

    腸重積症とは、腸の一部が重なりあってしまう病気で、激しい腹痛と血便をともないます。

    手術が必要になるケースもありますので、気になる症状がみられる場合は、すぐに医療機関で診察を受けましょう。

    ロタウイルス予防接種は受けるべき?


    ロタウイルスの予防接種は、任意接種となり、費用がかかります。
    「受ける」「受けない」は、それぞれの家庭での考えで違ってくると思いますが、その判断のためにも、感染した時の症状やリスク・接種スケジュール・費用・副反応などを知ることは大切です。

    ロタウイルスワクチンは、接種期間と接種回数が決められているので、接種するかしないかは、早めに決めましょう。

    パパとママで相談することも大切ですし、判断に迷ったら、かかりつけの小児科病院に相談してみてはいかがでしょうか。