【医師監修】四種混合(DPT-IPV)とは?赤ちゃんの予防接種、副作用はない?

0歳児の予防接種には、さまざまなものがあり、ママは予防接種のスケジュールを組むのに手こずりがちです。

国が予防接種を受けるように指導している、定期接種のひとつに、四種混合ワクチンがあります。

四種混合ワクチンとは、いったいどんな予防接種なのでしょうか。

推奨される接種スケジュールや、副作用(副反応)、接種後の注意事項などを、あらかじめ確認しておくと安心です。

順を追ってみていきましょう。

四種混合ワクチンとは

四種混合ワクチンは、その名の通り4つの病気を予防する不活化ワクチンです。

  • ジフテリア(D)
  • 百日ぜき(P)
  • 破傷風(T)
  • ポリオ(IPV)

これらの病気を予防するワクチンで、DPT-IPVとよばれることもあります。

四種混合は、4つのワクチンを混ぜた液体のワクチンで、皮下注射で接種するワクチンです。

参照:厚生労働省「4種混合ワクチンの導入に関する方針について(案)」

三種混合から四種混合へ

2012年以前は、定期接種としてジフテリア、百日ぜき、破傷風の3つの病気を予防する三種混合の不活化ワクチンがありました。

三種混合と、ポリオを予防する生ワクチンの接種は、別々におこなわれてきたのです。

しかし、経口タイプ(飲むタイプ)のポリオ生ワクチンは、免疫効果が強い反面、まれに麻痺が起こり賛否両論ありました。

そこで生ワクチンに代わり、不活化ワクチンを開発したのです。
2012年からは、麻痺をおこす心配のない不活化ポリオワクチンに切り替わりました。

その不活化ポリオワクチンを、三種混合ワクチンに加えたものが、四種混合ワクチンです。

四種混合ワクチンは、2012年11月より、三種混合ワクチンに変わる定期接種として導入されています。

参照:厚生労働省「不活性化ポリオワクチン(単独または4種混合)の接種を受けましょう。」

不活化ワクチンってなに?

不活化ワクチンとは、ウイルスの感染能力を失わせたものから作るワクチンです。

十分な免疫を得るためには、複数回の接種が必要となります。

そのため四種混合ワクチンにおいては、4回接種を行うのです。

また、不活化ワクチンを接種した後、別のワクチンを接種するためには、1週間の間隔をあける必要があります。

参照:厚生労働省「4種混合ワクチンの導入に関する方針について(案)」

混合ワクチンのメリットは?

複数のワクチンを別々に接種するとなると、かなりの回数と時間が必要になります。

それは、予防接種を行ったあと、別の予防接種をするには間隔をおかねばならないからです。

その問題を解決するために、開発されたのが混合ワクチン。

ひとつのワクチンに、複数のワクチンが混入されているので、複数の病気に対する免疫を一度に得られるのです。

個別に接種したのと同じ効果が得られるために、日本では、四種混合ワクチン、MRワクチンといった混合ワクチンが、定期接種として使われています。

予防できる感染症

四種混合ワクチンで予防できるのは、ジフテリア・百日ぜき・破傷風・ポリオの4つの感染症です。

あまり聞きなれない病気かもしれませんが、どのような症状がでるのか、詳しくみてみましょう。

ジフテリア

ジフテリアとは、鼻から喉にかけての粘膜がジフテリア菌に感染することでおこる感染症です。

潜伏期間は2〜5日程度で、発熱・喉の痛み・倦怠感などの症状から始まります。

鼻が感染すると、血の混じった鼻汁が出たり、鼻の中や上唇がただれたりするのです。

のどが感染した場合は、犬が吠えているような音の咳がでたり、扁桃・咽頭周辺に灰色がかった白い膜のようなものができることもあります。

症状が悪化すると、呼吸に必要な横隔膜の麻痺や心不全などをおこし、最悪の場合は死亡するケースもあるのです。

致命率は約10%ですが、乳幼児が罹患した場合は重症化しやすいといわれます。

参照:国立感染症研究所「ジフテリアとは」

百日ぜき

百日ぜきとは、百日ぜき菌による感染症で、風邪のような症状から始まります。
潜伏期間は7〜10日間。

最初は普通の風邪と区別するのが難しいのですが、徐々に咳が強くなるのが特徴的です。

咳がひどくなると、顔が赤くなるほど激しく発作的にせきこんだり、息を吸うときに喉がヒューヒューなることも。
ときには、嘔吐や無呼吸発作をともないます。

乳児が感染した場合は重症化しやすく、肺炎や脳症などの合併症をおこし、死亡するケースもありました。

参照:国立感染症研究所「百日咳とは」

破傷風

破傷風は、破傷風菌による感染症です。

傷口から菌が入り込むことで感染し、人から人に感染することはありません。

潜伏期間は3日〜3週間で、かかった場合は死亡する割合が高い病気です。

最初は、体の痛み・首筋の張り・口の開けにくさといった局所的な症状が出ます。

その後、痛みや痺れは体全体に広がっていき、全身の筋肉が硬くなって体を弓なりにそらせたり、呼吸困難におちいり亡くなることもあります。

参照:国立感染症研究所「破傷風とは」

ポリオ

ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスによる感染症で、子どもに発症することが多かったため小児麻痺と呼ばれていました。

主に口から感染します。

ポリオウイルスは腸内で増え、便に排泄され、その便を介して人から人へと感染する病気です。

多くの場合は感染しても症状が現れず、知らない間に免疫ができるケースが多いようですが、5~10%の方は発症するようです。

風邪のような症状が多いのですが、まれに腸内で増えたウイルスが脊髄の一部に入り込むと、手足に麻痺が現れ、後遺症として残ってしまうことがあります。

参照:国立感染症研究所「急性灰白髄炎(ポリオ・小児麻痺)」

四種混合ワクチンの接種スケジュール

四種混合ワクチンは、生後3ヶ月後から受けることができます。

1歳までは、定期接種の種類も多いですので、早めにスケジュールを確認し、忘れないようにしましょう。

参照:厚生労働省「4種混合ワクチンの導入に関する方針について(案)」

定期接種の対象者は?

四種混合ワクチンは定期接種なので、無料で受けられます。

対象者は、生後3ヶ月~90ヶ月未満の乳幼児・子どもです。

この期間をすぎると、定期接種として受けられなくなり、有料になります。

接種回数と推奨期間

四種混合ワクチンの接種回数は、初回接種が3回・追加接種が1回で、合計4回となっています。

  • 初回接種:生後3ヶ月~12ヶ月未満の間に、20日〜56日の間隔をあけて3回
  • 追加接種:3回目の約1年後に1回(3回目接種の6ヶ月後から接種は可能です)

推奨される同時接種とスケジュール

病気から赤ちゃんを守るためには、接種できる月齢になったら、ベストなタイミングで予防接種を受けたいもの。

1歳までに受けたい予防接種の種類は多いので、なるべく早く効率的におこなうためには同時接種が必要です。

同時に違う種類のワクチンを接種しても、効果や安全性は単独接種と変わりません。

推奨される同時接種と、スケジュールは以下のようになります。

  • 生後2ヶ月:ロタウイルス・ヒブ・小児用肺炎球菌・B型肝炎の1回目を同時接種
  • 生後3ヶ月:ロタウイルス・ヒブ・小児用肺炎球菌・B型肝炎の2回目・四種混合の初回接種1回目
  • 生後4ヶ月:ロタウイルス・ヒブ・小児用肺炎球菌の3回目・四種混合の初回接種2回目
  • 生後5ヶ月:四種混合の初回接種3回目・BCGを接種(同時接種できない場合は、四種混合ワクチンを先に受け、その1週間後にBCGを受ける)
  • 生後7ヶ月:B型肝炎の3回目接種
  • 1歳:ヒブ・小児用肺炎球菌の4回目とともに、四種混合ワクチンの追加接種

任意で5回目の接種

百日ぜきのワクチンの抗体は、5〜6歳で低下するため、小学校入学後に感染するケースもあるようです。

乳児がいる家庭において、家庭内感染が心配な場合は、MRワクチンの2期に合わせて四種混合ワクチンの5回目の接種を推奨されています。

小学校入学前の5回目の接種は、WHOも推奨しているので検討してもよいでしょう。

ただし5回目は定期接種ではなく、任意接種となるため、費用は自己負担です。

11歳の二種混合ワクチンも忘れずに

11歳~12歳の間に、二種混合ワクチンを接種しましょう。

二種混合ワクチンは、ジフテリアと破傷風を予防するものです。

予防接種が受けられないケース

予防接種は、体調のよいときに受けるのが基本です。
次のようなときは、ワクチンの推奨接種時期であっても、予防接種を受けることはできません。

  • 発熱している(37.5度以上)場合
  • 下痢や嘔吐など急性疾患にかかっている場合
  • 医師により不適当と判断された場合

以下のような場合は、接種してもいいかどうか医師に相談してください。

  • 過去、ほかの予防接種で熱を出したり、アレルギー反応を起こしたことがある
  • 免疫機能に異常がある疾患がある
  • 肝臓疾患、腎臓疾患、血液疾患などの疾患がある

接種後の注意点と副反応

四種混合ワクチンを接種したあとには、以下のことに注意してください。

  1. 30分は、安静にして様子をみます。
    できれば、接種した場所で待機するか、接種した医師と連絡がすぐに取れる状態がよいです。
  2. 接種当日は接種前・後ともに、はげしい運動をさせないように心がけましょう。
  3. 接種当日の入浴はできますが、接種した部分をこすらないように注意が必要です。
  4. 接種後に副反応が出ることもあります。
    接種後1週間は赤ちゃんの健康状態をよく観察して、体調の些細な変化にも注意してください。

副反応

四種混合ワクチンを接種したところが、しこりになったり、赤く腫れる場合があります。

赤みや腫れは、数日で治るケースが多いようですが、しこりは数ヶ月続くこともあるのです。

接種回数を重ねるごとに、接種部分がしこりになったり、赤くはれる症状が強くでる傾向にあり、まれに腕全体がはれることがあります。

その場合は、医師に相談してください。

上記以外にも、咳や鼻水・発熱・喉の炎症・発疹・下痢などの症状が出る場合もあるようです。

ごくまれに、アナフィラキーショックのような症状や、脳症・けいれんなどがみられます。

このような普段とは違う様子がみられる場合は、医師に相談しましょう。

四種混合接種は早めに受けましょう

四種混合ワクチンは、ジフテリア・百日ぜき・破傷風・ポリオの4つの病気を防ぐための、混合ワクチンです。

これらの4つの病気は、赤ちゃんがかかると重症化しやすく、命に関わったり、後遺症が残ることもある病気なので国から予防接種をすすめられています。

赤ちゃんを守るためにも、予防接種が受けられる月齢になったら、なるべく早く受けましょう。