【小児歯科医が教える】親のタバコで子どものむし歯が2倍!タバコから子どもを守ろう

5月31日は世界禁煙デーです。

タバコは、吸っている本人だけでなく、まわりでけむりを吸ってしまう人にも影響を与えることが知られています。

タバコを吸っている人のまわりの人がけむりを吸ってしまうことを「受動喫煙」といいます。

受動喫煙は、子どものむし歯や歯肉にも大きな影響を与えることがわかってきました。

親のタバコでむし歯が2倍に!

2015年、京都大学で驚きの結果が明らかになりました。
「家族がタバコを吸う子どもは、家族がだれもタバコを吸わない子どもに比べて、3歳までにむし歯になる可能性が2倍になる」という発表です。

2004~2010年に生まれた約8万人の生後4ヶ月での受動喫煙の状況と、3歳までにむし歯になったかどうかを調べたところ、家族にタバコを吸う人がいる子どもは全体の約半分で、家族がだれもタバコを吸わない子どもに比べてむし歯になる可能性が約1.5倍になっていたのです。

とくに、家族が子どもの目の前でタバコを吸う場合は、子どものむし歯の可能性は約2倍にまで高くなっていました。

これは、受動喫煙によって唾液(つば)の成分が変化し、むし歯菌が集まりやすくなったり、歯垢(しこう)やむし歯ができやすくなったりするためではないかと考えられています。

参考文献:Tanaka S, Shinzawa M, Tokumasu H, Seto K, Tanaka S, Kawakami K. Secondhand smoke and incidence of dental caries in deciduous teeth among children in Japan: population based retrospective cohort study. BMJ. 2015 Oct 21;351:h5397.
参考文献:田中司朗「子どもの受動喫煙虫歯リスク2倍に」歯科最前線2016

歯肉の色が黒く変色?

受動喫煙の子どもの口への影響は、むし歯だけではありません。

タバコを吸っている人の歯肉は、赤黒く変色してしまうことが多いのですが、子どもでも、受動喫煙によって歯肉の変色が見られることもあります。

写真はどちらも6歳の子どもの写真ですが、歯肉の色がだいぶ違います。

上の写真の子どもはパパがタバコを吸うお家で、下の写真の子どもは家族にタバコを吸う人はいません。

小学生で歯肉が黒っぽくなっている子どもは約30%います。
歯肉が黒くなる原因はさまざまですが、2/3から3/4は受動喫煙によるものと考えられています。

子どもの歯肉にタバコによる着色が現れるということは、確実に身体が受動喫煙の影響を受けているということになります。

タバコを吸う人が家族にいる場合、子どもの身体に影響が出ていないか、歯肉の色をチェックしてみましょう。

参考文献:小石剛「幼児期における歯肉色素沈着と尿中コチニン濃度との関連」岡大歯誌