妊娠中の流産について

妊娠中の流産について

流産が起こる確率は、妊婦全体の10%~15%程度であるといわれています。
経済的な理由などで自ら堕胎を望んだ場合の人工中絶や、外的ショックの原因のほかにも、赤ちゃんがお腹の中で育つことができなくなる場合があります。

赤ちゃんが育たないのは染色体の異常など先天的な要因なので、流産をしてしまったからといって、ママが自分を責める必要はありません。
しかし、まれにお母さんの体質や子宮の異常が原因で、流産につながってしまうこともあります。

そこでこちらの記事では、流産の原因となる症状や、見逃したくない流産の兆候についてご紹介します。
流産を予防するための習慣もあわせて記載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

流産の原因にはどのようなものがある?

【漢方薬剤師が教える】流産予防はズバリ!子宮の環境を整える
流産の原因は、転倒や事故などママの身体へのショックをイメージする方も、多いのではないでしょうか。

流産は妊娠初期から妊娠12週目までに起こる場合が多く、そのほとんどは赤ちゃんの染色体異常など先天的なものです。
しかし、3回以上流産を繰り返すことを「習慣流産」といい、その場合は母体になんらかの原因があると考えられます。

とくにこれからご紹介する症状は、流産の原因になるとされています。
妊娠中や妊娠を希望している方は、これらの症状がないかどうか事前にチェックしておくことがおすすめです。

黄体機能不全

生理周期を一定に保ったり、女性らしい身体つきをつくる女性ホルモンには「卵巣ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の2種類があります。
妊娠にもこの2つのホルモンが大きく関わっており、中でも黄体ホルモンには妊娠状態を維持する働きがあります。
この黄体ホルモンの分泌が正常でないと、胎盤の形成が不完全となり、胎児が順調に育つことができなくなってしまうのです。

高プロラクチン血症

プロラクチンとは授乳中に妊娠して母体に負担がかからないよう、妊娠しにくい身体をつくる作用を持ったホルモンです。

授乳中ではないのに、このホルモンの数値が高い「高プロラクチン血症」になると、妊娠を継続できず流産のリスクが高くなります。

子宮機能不全

妊娠をすると前述の黄体ホルモンの作用によって、子宮内膜が胎盤をつくり赤ちゃんが育ちます。

黄体ホルモンが正常に分泌されていても、子宮内膜の機能が十分ではないと、うまく胎盤が成長せずに流産のリスクが高まります。

潜在的な子宮内膜不全を抱えている女性は多いとされており、妊娠前に子宮の状態を検査しておくとよいでしょう。

子宮のさまざまな異常

子宮内機能不全のほかにも、子宮のさまざまな病気が流産を引き起こすこともあります。
代表的なものでは「子宮内膜症」や「子宮筋腫」など。

とくに子宮内膜症があると、流産の確率が2倍になるともいわれています。
また、程度の違いは個人差がありますが、子宮筋腫を抱えている女性は多くいるようです。子宮筋腫があると、子宮内機能不全を併発しやすくなります。

これら子宮の異常がある場合は、妊娠以前に月経不順や不正出血など、生理や経血に関する異常がみられるケースが多くあります。
そのため妊娠希望の方は月経不順や不正出血などのサインを見逃さず、はやめにかかりつけの産婦人科をつくっておくと安心です。


流産の症状一覧、見逃したくない兆候とは?

【漢方薬剤師が教える】流産予防はズバリ!子宮の環境を整える
次に、流産の兆候についてご紹介します。

なんらかの原因でお腹の中の赤ちゃんが育たなくなり、出産に至らない自然流産は、80%以上が妊娠12週目までに起こります。
そのため流産の兆候も、妊娠12週目までにあらわれることが多いようが、自覚症状のないまま流産してしまうこともあるようです。
母体の健康を損なわないためにも、できるだけ早い段階で症状に気がつくことが大切です。

不正出血

月経ではない時期に出血が起こることを、不正出血と呼びます。
妊娠をすると月経がこなくなるので、子宮から出血を起こすことはありません。
妊娠中に出血が生じた場合は速やかに病院を受診しましょう。

とはいえ妊娠中はホルモンバランスが乱れやすいので、流産以外の理由でも不正出血が起こる可能性があります。
出血をともなう流産である「切迫流産」は速やかに適切な治療を受けることで、妊娠状態を維持できる可能性もあります。
母体のためにもお腹の赤ちゃんのためにも、流産のサインを見逃さず、兆候をみつけたらすぐに医師へ相談するようにしましょう。

腹痛、腰痛

腹痛や腰痛は妊娠中に、よくみられる症状です。
しかし、強い痛みが続く場合や出血がともなう場合は、念のため病院を受診するようにしましょう。

基礎体温の低下

妊娠すると基礎体温が上がり、高温期が続きます。
基礎体温が不自然に下がった場合は、流産の可能性も考えられます。

基礎体温は人によって異なるので、一概に何度以上が高温、低温とはいえません。
そのため妊娠希望の方は、普段から基礎体温表をつけ、自分の基礎体温を把握しておくことが大切です。

つわりがなくなる

つわりの程度には個人差がありますが、それまであったつわりが急激になくなった際には流産の可能性も考えられます。
体調に変化を感じたら、すぐに医師に相談しましょう。

 

[no_toc]続いて、流産の予防方法をみていきましょう。[no_toc]

流産の予防方法

【漢方薬剤師が教える】流産予防はズバリ!子宮の環境を整える
先ほどもご紹介したように、流産の原因のほとんどは赤ちゃんの先天的な染色体異常ですので、お母さんが責任を感じることではありません。
悲しい事態を防ぐために、心がけたいことをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

葉酸の摂取

葉酸には胎児の成長を促したり、流産を予防する効果が期待できます。
妊娠中でも問題なく摂取できるサプリメントなどを選んで、効率的に摂取しましょう。

カフェインとタバコは控える

カフェインやタバコは、妊娠中の母体や胎児に悪影響を及ぼすことがあります。
とくにタバコはホルモンバランスを崩し、子宮の状態を悪くしてしまうので妊娠中は禁煙しましょう。

カフェインは量に注意して、とりすぎないようにしましょう。


激しい運動をしない

安定期と呼ばれる妊娠16週目に入るまでは、激しい運動は控えましょう。
また、重い荷物を持ったり、立ちっぱなしの体勢を長い時間続けるのはよくありません。

身体を冷やさない

身体の冷えは子宮の状態を、悪化させることにもなりかねません。
子宮の血流が悪くなると、胎児に十分な栄養や酸素を送れなくなります。
妊娠中はできるだけ身体を冷やさないよう、衣服や食事、室内の温度管理に気を配りましょう。

ストレスをためこまない

ストレスフルな状態が続くと自律神経が乱れ、ホルモンバランスが崩れてしまいます。
妊娠中は不安な気持ちになりやすいママも多くみられるので、意識して心のケアをおこないましょう。
できるだけ穏やかに過ごせるように、家族や周囲に協力をお願いするのもよいでしょう。

流産の種類について

【漢方薬剤師が教える】流産予防はズバリ!子宮の環境を整える
流産にもさまざまな種類があり、それぞれ治療方法や費用も異なります。
適切な処置を受けることで妊娠を続けられる場合もありますので、母体の状態をよく見極めることが大切です。

流産の種類や治療方法、費用などをみていきましょう。

稽留流産

稽留流産はなんらかの原因で、胎児がお腹の中で死んでしまっている状態です。
子宮内の赤ちゃんや周りの組織を取り除くために、子宮内容除去術を受けます。

自ら望んだ場合の人工中絶手術と異なり、稽留流産の手術には保険が適用されます。
費用は症状や入院の有無、病院によっても変わりますが、およそ2万円~8万円程度であることが多いようです。

化学流産

化学流産は卵子と精子が受精したにもかかわらず、受精卵が着床しなかった状態です。
化学的流産(Chemical Abortion:ケミカル・アボーション)ともいいます。

治療がおこなわれることはほぼなく、妊娠検査薬で陽性反応が出る状態のあとに生理がきて、ママ自身は妊娠に気づかなかったケースがほとんどです。

切迫流産

切迫流産は流産になりかかっている状態を指します。
妊娠22週未満に起こり、不正出血や下腹部痛、お腹の張りや腰痛などの症状があらわれます。
切迫流産は適切な処置を受けることで妊娠を維持できるので、兆候を感じたら速やかに病院を受診しましょう。

切迫流産も症状や入院の有無で治療費が異なりますが、保険が適用されます。
切迫流産の治療は基本的には安静にすることが第一ですので、入院しない場合は出血量が多く止血剤が投与されたとしても、5,000円~10,000円になることが多いようです。

進行流産

子宮口が開き、赤ちゃんや胎盤などが流れ出る状態をいいます。
症状は激しい出血と腹痛をともない、進行が確定したら、止めるすべはなく妊娠の継続は不可能となります。

完全流産・不全流産(不完全流産)

赤ちゃんの組織が全て流れてしまうことを完全流産、一部が残ることを不全流産(不完全流産)といいます。

完全流産の症状は、激しい下腹部の痛みと大量の出血があります。
出血はしばらくすると自然に止まることが多いようです。

不全流産の症状は、陣痛のように波がある痛みが続き、大量の出血が続きます。

反復流産、習慣流産

連続で2回流産を繰り返すことを反復流産といい、流産を3回以上繰り返すことを習慣流産といいます。
流産を繰り返すたび、流産する確率が上がるといわれています。

反復流産、習慣流産の原因は以下がみられます。

  • 細胞遺伝子的異常(染色体に異常がある場合)
  • 解剖学的異常(子宮奇形・子宮頸管無力症・子宮筋腫)
  • 内分泌的異常(甲状腺・高プロラクチン血症・糖尿病など内分泌液系の病気)
  • 感染症(性病の感染や炎症)
  • 自己免疫異常(自分の細胞を攻撃してしまう病気)
  • 同種免疫反応異常(夫婦間でHLA(ヒト主要組織適合抗原)が似ている)
  • 原因不明(全体の60~70%)

不育症

流産や死産、新生児死亡などを繰り返してしまうことを、不育症といいます。
反復流産や習慣流産も繰り返し流産が起こることですが、不育症は妊娠22週以降の死産や生新生児死亡を含みます。

不育症の定義は、はっきりと決められていません。
検査をしたうえで、不育症の原因を探して治療をする場合がありますが、原因がわからないことも多いようです。

その他の流産

その他の流産は以下があります。

  • 子宮外妊娠… 卵管や卵巣など子宮内ではない位置で妊娠し、大量に出血することがあります。放置すると危険なため、治療がおこなわれます。
  • 胞状奇胎…赤ちゃんの異常が原因で、胎盤に腫瘍ができます。早めの治療が必要です。

水子供養について

【漢方薬剤師が教える】流産予防はズバリ!子宮の環境を整える
水子供養とは、この世に生まれることができなかった赤ちゃんを、天国へ送るために供養することを指します。

病院によっては亡くなった赤ちゃんの水子供養を定期的に行っているところもありますが、水子供養は多くのお寺でお願いできるようです。
費用はお寺や供養の方法によっても異なりますので、万が一の場合には、まず近くのお寺に水子供養について問い合わせをしてみましょう。

また、妊娠12週を過ぎていた場合には、赤ちゃんの死亡届を提出する必要があります。
火葬のための火葬許可証をもらう必要もありますので、パートナーと支え合いながら手続きをおこないましょう。

流産は兆候を見逃さないことが大切

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流産は早期発見と適切な治療が大切です。

妊娠中はちょっとしたことでも、「もしかしたら流産かも?」と不安になってしまうママもいることでしょう。
早期発見と適切な治療によって、妊娠を継続できる可能性もあり、万が一流産してしまっても、その後に赤ちゃんを授かる可能性を高められます。
流産の原因や症状、予防方法を知ることで、流産につながりやすいライフスタイルは改善しし、悲しい事態をできるだけ防ぐようにしましょう。

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